三椏の谷

昨日なんとか時間をやりくりして、レディーのトラックがジグザグに走っていた場所を確認に行くことが出来た。
その谷は地形図では分からないが、まさにレディーのトラック通りにジグザグに走っており、また川岸は一面コウゾに覆われていた。やはりここではまだ怪我をしていなかったと思う。

e0114922_932327.jpg


よく考えてみれば、レディーは一度追うのに飽きると、まずは沢に下りてくる。そして沢を下りながら水を呑みつつ身体を冷やして、車が迎えに来れる大きな林道に出る。そして民家が見える場所まで降りてきて、民家周辺で私が来るのを待っている。人に近付かないように躾けているので、決して人や家畜などには近付かない様にして待っている。
猪に切られた際は、簡単に通る事が出来る鹿よけネットの山側にある、犬小屋サイズの小さな地蔵堂に入って待っていた。

e0114922_9394772.jpg


そうやって、どこかに入り込んで待っていることは珍しいので、何かあったのかと思っていたら、車に載せた際のレディーの身体が、非常に猪臭かったので、ああ、ちょっと怖い思いをしたんだなと気付いた。
帰宅しても妙におとなしかったので、余程怖かったのだろうと笑っていたのだが、そこで配偶者がレディーの怪我を発見した。ほどんど血が出ていなかったこともあるのだが、それにしてもまったく気付かなかった。
そういえば、どこかの猟犬のサイトで、回収したら必ず身体をチェックすると書いてあった様に思う。
今まで何度もレディーが猪に絡むところを目撃しているのに、迂闊だった。

そして、こうして顛末の検証をしていて、走りすぎるのは現在の私や駆除班のスタイルには合致していないものの、レディーは非常に賢くて優秀なのだという事を痛感させられた。
信じきれてやれていなかった事を深く悔やんだ。

そのレディーだが、もう山を怖がるかと思いきや、一昨日辺りから散歩にも行きたがる様になった。昨日はジムニーのエンジン音を聞いて、山に連れて行けと叫び回っていた。
[PR]
# by oglala-beads | 2014-03-29 09:53

検証1

昨日(追記)で書いた通り、どうしても疑問に思うところがあったので、時間の無い中でしたが、無理を押してレディーが猪にやられた場所の検証に出掛けてきました。
結果的に、やはりGPSトラック画像の左側、青丸部分でやられたのであろうという推察が出来た。

e0114922_9251065.jpg


ここで一度斜面を上って、

e0114922_9254241.jpg


寝屋というよりは後ろが無い窪みの多い地形、しかも猪が好みそうな岩場に入っていっていた。

e0114922_926974.jpg


残念ながら争った様な形跡は発見出来なかったが、そこからは素直に斜面を降りて、

e0114922_9263336.jpg


歩きやすい沢沿いを進んでいた。


いくらアドレナリンが働いていたとはいえ、大怪我をした犬がわざわざ意味もなく斜面を上がるとは思えない。怪我をしても更に追い続けたのか、又は、ここでやられたのかの、どちらかだろう。

しかし、まだ疑問は多い。まず、最初にどこで猪を見付けたのか。沢を降りる際のジグザグは本当に猪を追ってのものだったのか。もしくは倒木等に行く手を遮られていたのか。いや、しかしそれは考えられない。というのも、倒木地帯を好んで進むような事をレディーはしないからだ。今日にでも時間が空いたら、ギザギザの部分も歩いてみようと思う。
[PR]
# by oglala-beads | 2014-03-28 09:34

GPSトラックから見た、猪にやられた時のレディーの衝撃

ある意味興味深く、一方ではレディーにとってどれぐらいの衝撃だったのかが、GPSのトラックを見るとよく分かります。

e0114922_923932.jpg


右上からやってきて、途中何度かクリンと小さく回っている場所が数箇所あります。その都度猪を追い込んだ様です。一番下に到達するまではトラックの線が真っ直ぐに近いので走っていたのが分かります。
この一番下の所、ここで猪の反撃を食らった様です。
ここから左に向かうトラックは、今までとは一転して、速度も非常に遅くなり、右に左にフラフラとしています。


(追記)

よく見ていて、ちょっと違和感を感じました。仮にいくら大怪我だったとしても、これほど乱れるかなと。これは猪を止めようと、必死にレディーが右に左に駆け回った記録かもしれません。なかなか検証に行けないまま、雨が降ってしまいました。
[PR]
# by oglala-beads | 2014-03-27 09:30

レディー、猪にやられる

「なんだ、猪臭いな。いつもと違う動きだったけど、そうか、今日は猪を追ったのか」

どうも様子がおかしい。隠れる様にして私を待っていた。家に帰ってもどうも元気が無い。

「え!?ヒロ、レディーやられてるやん!」

不覚にも気付かなかった。15センチほど切り上げられている。上手く逃げた様で肋骨を削ぐ様にしていたが、背中近くまで牙が入っている。よく助かったものだ。
よく見ると尻もやられていた。

怪我の状態から推測するに、よほど大きな猪だったのだろう。それにしてもこの程度で済んで、レディーは本当に良い経験をさせてもらった。猪に感謝すべきだ。
[PR]
# by oglala-beads | 2014-03-25 11:49

春も多忙

昨日は同時進行で4頭の皮を処理しました。最初は余裕ある状態だったのですが、最後は疲労困憊しました。未処理の皮があと20弱あり、そのうち4月中に片付けておかなければならない作業がのべ18行程あります。4月末からは毛皮の処理が始まり、冬の間に痛んだ家の補修と畑、来季の薪の準備と、立ち止まる時がありません。これぞ田舎暮らし。のんびりとは程遠い。
更に今年は、私を取り巻く有害鳥獣駆除の有り様が変わり、大変に忙しくなりそうです。
その前に、今日の様な雨の日は、無線の修理や改造、そしてカシミールを使ったデータ作成の準備等。
ふと目をあげると、家族達が面白いことをしてくれて和ませてくれます。




[PR]
# by oglala-beads | 2014-03-20 09:56

駆除期間の始まり

「あ、ほら、子鹿が見てますね」
「おお、見とんなる」

今駆除期一頭目の止め刺し依頼は、うちの村からでした。
これもまた顔馴染みの鹿であり、切ないものがありました。
でも、この親子は最近ちょっと調子に乗りすぎているところがありました。良かったと思います。
残された子鹿が、孤独に耐えて強く生きていく事を望んでいます。
私だったら、乗り越えられるか、微妙だけれど。
[PR]
# by oglala-beads | 2014-03-19 10:31

プーチン大統領

私がプーチン大統領に興味を持ったのは、先日のオリンピックの放送をゆうげの食卓で観ていた際の事でした。
会場の外で、覆面をした若い女性とおぼしきバンドが、プーチン大統領を非難するパンクを歌っている。それを警官が鞭で追い払いながら「プーチン大統領に愛国心を教えてもらえ!」と叫んでいる。彼女達は反政を叫びながら、妙に欧米的でカラフルだった。会場外を歩いている人々、走っている車を見ても、私が古い頭で描いていたロシアとは全く違っていました。
恥を忍んで言うと、私の中では、ロシアといえば、いまだにゴルバチョフ、エリツィンの時代の、皆が実用一点の暗い色の服と暗い表情で、品物の無い商店の前で並んでいる、そんなイメージでした。どうもプーチン、メドベージェフ、プーチン大統領の時代に何かが変わったらしい。しかも底辺から。また彼女達が、一応公然と、若干の間抜けさと、決して慎重とも思えない様相で、反政府の歌をぶちあげる事が出来ていること。それがニュースで流れる違和感。
そこで、ネットで調べられる情報を色々と模索した上で、北野幸伯氏の著書に入っていきました。
豊岡市立図書館の本館に蔵書のあった「プーチン 最後の聖戦 ~ロシア最強リーダーが企むアメリカ崩壊シナリオとは?~」。
そしてまさに、時を同じくして起こっているクリミア・・・
新聞記事での表現のされ方に、当たり前ではあるけれど、自分が欧米圏の者であることを思い知らされました。
色々と非常に勉強になりました。
[PR]
# by oglala-beads | 2014-03-18 20:03

猟期明けの開放感

3月15日をもって、今年度の狩猟期間が終わりました。なんとなくほっとした様な、朗らかな心持ちがします。
実際は間を置かずに駆除期間が始まり、むしろ殺す数はこちらの方が何倍も多くなります。しかし、税金を支払って行う自分自身の猟と、税金から報酬を受け取って行う駆除とは、まったく心の有り様が異なります。
皮を得るための猟というのが私の元からのスタンスであり、その必要が無くなれば猟をする意味が無くなります。それで自分自身の猟においては、その方法から仕留め方や相手の選択までいわば、美学、というよりも義務を設けてそれに従っています。必要以上は獲る気がしないし、苦しませて死なせた動物の皮を使いたいとは思いません。
自分自身の猟というのは、その個体を殺すかどうかという決定を自分自身でしなければなりません。鹿は家族愛の強い動物なのを常時観察しておりますので、その一頭を殺した事で起こるその家族の変化を私自身で受け止める必要があります。

また、猪は私にとっては不要なので、完全な地域貢献です。狩猟上の自由を保持したいがために、猟期中の褒賞金は受け取っていません。
だからといって個人的な意義が全く無いという訳ではなく、思い付くだけでも2つの意義があります。

一つは、村で増えすぎた動物を自分がコントロールしている(もしくはその一助を担っている)という、不確かではあるけど、ロマン溢れる自負を持てる点。
そしてもう一つ。私は昨日も村の日役で1日中、山際の鹿避けネットの補修作業に加わったのですが、そういった村での地域貢献というものがあってこそ、その村での猟をする実質的な権利が生まれるという考えを私自身は持っています。これに対しては異論が多いと思いますが、良い悪いや理屈ではなく、私自身がその考えの元に行動しており、それ故にここに移住し、ここ以外では自分自身の猟をしていません。いわば前述の美学の一つです。

狩猟期が終わったということは、もしかすると自分自身から解放されたと同義なのかもしれません。なんというのでしょうか。神戸に帰省した折りに感じる開放感に近いものを現在感じております。それは、獲ること自体が戦いなのではなく、獲るために自分が何をしてきたかというここでの生活全般と、獲るという判断そのものが自分にとっては戦いなのだという事になろうかと思います。

e0114922_11243146.jpg


竹林では猪が筍を掘り始めました。
[PR]
# by oglala-beads | 2014-03-17 11:25

貂の怪力

佐渡の朱鷺が貂に襲われた際に、貂の助命嘆願が多く集まったそうですが、よもやこの貂の面構えを見たら嘆願する人も少なかろう、という光景を昨夜目撃しました。

配偶者が「納屋に貂が居るよ」と思い出したかのように言うので「今か?」と尋ねると、今とのこと。特に珍しいことでもないので面倒だったが、直前に工房上の皮の貯蔵庫をウロウロしていたので何をやっていたのかに興味があり、覗いてみた。
なにやら大きいものをくわえてセンサーライトの明かりの中を堂々と歩いている。やがて落ち着く場所なのか、それとも操作しやすい場所なのか、ともかく一ヶ所に落ち着いて荷物を下ろして無心に食べ始めた。その食べ方たるや、噛みつくのではなく、まるで鮫が大型の獲物を食いちぎるかの様に、噛んで思いっきり獲物を振り回してちぎっている。その面構え。まるで昔のネズミと巨大イタチとの死闘を描いたアニメのイタチみたいそっくりの眉間のシワと吊り上がった目。写真に撮っておくべきだったが、あまりの迫力に見るのに夢中になってしまった。
食べていたのは、なんと先日の50キロほどの雄の猪の、その頭部だった。ほどよい小さな牙だったので、近日中にそれらを抜いてアクセサリーにしようと、気温が低いのを幸い、庭に放置しておいたのだ。
納屋のその場所に上がるには柱を上らなければならないが、少なくとも5キロはあるだろうその頭部をくわえて垂直に登った様だ。

実はそれぐらいの事は貂なら問題なく出来ることは、こちらに越した日には理解していた。天井裏に鹿の大腿骨と脛の骨が落ちており、その横に私が覗いても平気な顔をして貂がデンと座っていたからだ。

関連記事
http://oglalajp.exblog.jp/12646005/ (開かずの間~その2~)
http://oglalajp.exblog.jp/12903151/ (天井裏の住人)

動画は貂の毛皮に飛び付く福ちゃん。

)
[PR]
# by oglala-beads | 2014-03-13 11:34

止まった時間

殺しておきたかった猪がいました。
春が見えかけている今日、ようやく仕留めることが出来ました。

死体の写真は嫌いですが、思うところあって掲載します。
不快に思われる方にはお詫び申し上げます。

e0114922_1745911.jpg

[PR]
# by oglala-beads | 2014-03-10 17:46