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クロカンやりたかった・・・

村の名人のチェーンソーの樹を噛む速度と音の記憶を頼りに、頑張って目立ての技術の向上に励んだ。お陰で、自分のチェーンソーとは思えないぐらいキレが良くなった。キレでいうと、名人のソー以上になったかもしれない。だからって名人を抜かした訳では無い。要と不要。肝心なのは、これで何をするのか、だ。

名人の場合は、椎茸の原木か。それは生活そのものだ。名人は言う、もっと根元から伐りなさい。ヒコバエがはえてきたとき、ややこしくなるから。
名人は御歳80を越えてらっしゃる。循環する山の資源を、未来に手渡そうとなさっている。彼の技術は、未来の子孫達の為にある。

僕の場合は山の整理。それは各動植物の遺伝子を強くし、結果的に僕には鹿の皮として還元される。栄養状態の良い、とてもコンディションの良い皮として。その皮を使って、アクセサリーを作る。それも生活そのものだ。僕の技術は、お客さんの為にある。


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「あまりにも積雪量が増えてしまって。危険なので週末のクロスカントリー体験会は中止します」と役場からの電話。良い判断だと思う。とても残念。300円で体験出来るチャンスだったのだが。また来年の楽しみにしながら、中古のクロカン道具を探すことにした。

大雪の中、樹を伐っていると、配偶者がやってきて、コロ達とソリ遊びをするという。横でキャッキャキャッキャ言ってるのを聞いていると僕もやりたくなって一緒に遊ぶ。
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配偶者はこの後、駐車場の屋根に上がって雪下ろしをしていた。トタン屋根なのもあって、高所恐怖症の僕は脚がすくんでいたのだが、ジェットコースター大好きな配偶者は嬉々として登っていった。
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駐車場は、基礎をアナグマが掘って巣にしてしまっているので、若干傾いている。おまけに古い木材はシロアリにやられているのも多く、いつ倒れるか分からない。


イノシシが出て畦を掘ったので、『その日に言ってくれなきゃ。もう遅いわ』と思いながら鉄砲を持って新雪の山にあがる。足跡はもう消えていたが、読みがあたって昨夜の寝屋は突き止めた。どっちに行ったかを雄弁に語ってくれるはずだった足跡の上にキラキラ光る雪が降り、なにもかもを隠していた。
何か嬉しくて、雪まみれの鉄砲を抱えて、フっと笑って山を降りた。
よしよし。帰ったらダルマストーブの部屋で乾かして、オイルまみれにしてやるぞ。
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by oglala-beads | 2012-01-27 18:36

新雪とスピッツ

新店舗のプレ・オープンに間に合わせるため、第一回の納品分の出荷で待った無しの状態だった日曜日。明日から相当危ない寒波が来る、というので、徹夜続きの身体に鞭打ち、普段より沢山の倒木を山から降ろした。
僕が片付けた倒木分、鹿の通いが楽なコースになっているのを見ていると、ややこしそうな崖を回避出来るコースを作りたくなって午前中いっぱい、脚がフラフラになって平衡感覚が無くなるまで山を上がったり降りたりした。

翌朝は一晩で50cm積もっていた。

喜んで運動場を駆け回るコロとカレン。
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by oglala-beads | 2012-01-25 21:34

タイミング

節分までに裏山の竹を間引きしようと思って暦を見ると、大犯土がちょうど終わって小犯土と土用に入るタイミングだった。残念ながら土用が明けるのが3日なので、節分までに竹を伐るのは無理みたいだ。林業をしていた人に聞くと、3月までなら大丈夫との事で助かった。もっと暦を真剣に見る様にしよう。


タイミングといえば、これは暦とは別なのだけど、鞣しの各工程にピッタリという日があって、それは湿度であったり気温であったりする。体感出来るもので、朝起きた時に大体の事が分かる。
2〜3日前に今季獲った鹿のグレイニングを全部成功のうちに終えたのだが、20頭も同時処理していたので、今も朝起きた時の空気がグレイニング日和だった時はドキっとする。ああ、今年はもうやらないでいいんだ、と気付いた時にはホッとする。
とはいっても、これからもっとも日を選ぶソフトニング等が残っている。
そうだ、毛皮もあった。


ブレインタン(脳漿鞣し)に関して、質問してくる人のほとんどが、まともに過去ログを読んでいないので、返信しなかったりとかなり冷たくあしらっていた。
でも決して教えたくない訳では無く、むしろ礼儀をきちんとしてくれる人に対しては、持っている知識は全てシェアしたいと考えている。
でも、うちの商品に対する問い合わせはキチンとした人ばかりなのに、どうした訳か皮の問い合わせは本当に、驚くぐらい非常識で失礼な人が多くて、今までその気になれなかった。
しかし何故か、ここ最近、もっている知識をシェアするなら今が良いタイミングの様に思う。求めている人の中には礼儀を守れる人も多く居るはずで、だからこそ僕には連絡をして来ないのだろうから、そういう人のためにミクシを利用して、ブレインタン技術を教える会員制コミュニティーを作ろうと考えている。詳細はまた後日案内します。


高槻先生の本を読んでいて、「・・・アカシカでは巨大なオスを遺伝子保存の為に、撃たない様にしている狩猟のあり方・・・」という一節を見つけた。生きた動物を的にするスポーツがある一方でこうした文化があるのは、なんというか面白い限りだが、現在、但東等、一部地域では鹿が極端に小型化しているので、ここいらで西洋のこういった狩猟マナーとその意義は学ぶ必要があると思う。


次回のNHK総合の「ダーウィンが来た!」(2012年1月22日放送)はエジジカの特集で、角をテーマにしたものだそうだ。高槻先生の本を読んでいて、以前から角が落ちた後のオス鹿の順列に興味があった。番組の案内を見る限り、どうもその事に触れている様なので興味深い。つまり、オスの角は毎年生え変わるが、高齢で生えなくならないまでは年々大きくなるそうで、その大きさは順列に関係しているそうなのだが、では角が落ちた後は、角だけ大きな熟年の個体よりも、角は小さくとも身体の非常に大きな青年個体の方が強いはず。順列もその通りになるのではないだろうか、と思っていた。
ちなみにこの番組の制作にあたっては、高槻先生もアドバイスをされたらしい。余計に楽しみだ。
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by oglala-beads | 2012-01-19 15:09

約束

このブログを読んで下さっているハンターの方から、ミクシを通じてブログへの嬉しい感想を頂きました。

「駆除に対する姿勢・考え方など
自分が本当はどう思っているのか、どうしたいのか、
あらためて考えるきっかけを与えてくれたという意味で、
影響は大きかったです。」

最初は批判ばかり多く頂いていましたが、次第に理解して下さる方も増え、このような有り難いお言葉を頂ける様になりました。現在では僕の言う事に興味をもって下さる学者さんや行政関係者も増えました。
「君らの子孫にとって、住み良い環境をつくる為に尽力する」と、僕は殺した動物達に約束したのですが、有り難いことに、それが、ごく限られた狭い領域では無く、このブログを通じて、広い領域の話になり得る可能性を感じ始めています。
一人の方からこういう言葉を頂けるということは、10人以上の方が同じ様に思って下さっているということだと思います。

銃の規制が厳しい昨今はハンターにとっては受難の時代と言われておりますが、僕はむしろ今が日本のハンターが世界的に尊敬を受ける様に変わるための、良い時代だと考えております。
というのも、日本人の培ってきた精神性をベースに、インターネットという手段を通して、古今東西の様々な技術・価値観を学べる状況にあるからです。

例をいくつか挙げると、西洋の、人、特にハンターが生態系の保全に重要な役割を果たす、という思想や技術、更にその根底にある動物愛護の精神を学びつつ、一方ではヒトの無力さの実証にいつでも映像にて直面出来ます。
日本的な精神世界性は世界に類を見ないほど高度に発達したものだと思われ、その動物観・生死観を誰もが血に持ちながら、更に昔の猟師の高度に秩序だったそれを書物を通して学ぶ事も出来ます。
また、少し前まで成り立っていた、職業としての猟師の貴重な体験を当人から学ぶことが出来る最後の時代でもあります。
情報が少なければ、非常に小さなコミュニティー間の優劣しか無かった、猟師としての射撃技術を、ネットを通じて全国的なものとして、皆で切磋琢磨して高め合う事も出来ています。
さらに、沢山の学者さんの研究とも容易にアクセス出来る環境であり、逆に言えば「そんなこと、誰も言ってくれなかった」という言い訳は意味を成しません。僕の読んだ最新の論文は「天然シカ肉加工品の物性および嗜好性に及ぼす多穀麹添加の影響」というものですが、google scholarのアラートにて非常に容易にアクセス出来ました。
そういった学者さん達の、血と涙と汗の結晶をベースにして、ナショジオ・ワイルドを観ると、ディレクターの意図を排除したものの見方も可能になります。

これらを修めたものが標準となれば、日本のハンターは世界的に尊敬を受け、その存在意義を高める事が出来ると思います。最初は少数派でしょうが、次第に割合を増やしていくことは、むしろ銃に対する規制の厳しい今だからこそ、可能性は高いのではないでしょうか。

猟師という存在無くして、本当の環境アセスメントは成り立たないのではないか、と僕は思いますし、学者や行政とは立場と利益を異にし、良心と自らのプライドにかけて潔癖な、猟師による独自の環境調査機関に猟友会が変化してゆけば、僕の約束は決して夢物語ではないと思います。
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by oglala-beads | 2012-01-15 14:35

とりあえず安心

動物にとっては生存のかかった条件の悪い季節。生活の場が、かなり限定される。
だから、あまり驚かせたく無くて、今季の猟を早々に終えてからは、奥山に行くのを避けていた。
でも今年は、雪は積もるものの、場所によっては溶けているし、里山の鹿達にも余裕を感じるので、奥山で頑張っているシカ達はどんな具合か、見に行ってみることにした。
久々に鉄砲を持っての山だ。
カンジキを履いて歩くのは結構ハードなので、運動不足の解消にもなる。

場所によっては腰以上に積もっているのでカンジキが無いと歩けない。それでも頑張って積雪帯を突っ切った跡が何カ所かあったが、相当苦労したのが足跡でよく分かる。
南西斜面の雪は大体溶けているので、天気と時間帯にもよるが、晴れた昨日は鹿達は反芻しながら、ゆったりとまどろんでいた。だいたい一つのポイント毎に2〜4頭辺りの牝のグループが居て、各自がよく肥えていた。獲る気になれば、皮はまだ使える厚さの様だ。

奥山を早々に引き上げて山裾まで来ると、白い軽自動車から降りた20代ぐらいの男の子が、一生懸命僕の足跡を観察していた。装備が無くて近くに寄れない様ではあったが、遠目に見ても熊と人の足跡の区別はつくと思う。

今頃、鹿は食べ物の無い山で、さぞ難儀しているのだろう、と思うと、自然と節制して楽しみを自重した生活だったが、今年はまだ大分余裕があるらしい様子を見て、ようやく冬を楽しむ気になった。案内が来ていたクロスカントリー・スキーの体験会に参加することにした。先程書いたような理由で、不必要に雪山に入る事は避けたいが、猟の際の、高い山の林道を移動する手段として魅力的だ。里山界隈だったら、配偶者と一緒に楽しめるよいスポーツにもなる。
夕方の散歩の際には、ナイロンのジャケットを腰に巻いて、配偶者とコロとカレンとで斜面を滑り降りて遊んだ。もう歳なのでアクロバットは出来ないが、田の中に後ろ向き、前向きでダイブして、雪まみれになって、はしゃぎ回った。
鹿の心配ばかりしていたが、ようやく雪が楽しくなってきた。
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by oglala-beads | 2012-01-13 13:59

大根カプカプ

先日、今週末にある「とんど(どんど、左義長)」の準備で、皆で大きなケヤキを一本伐った。その際に僕もチェーンソーを持っていったのだけど、ワシ、目立て出来んのや、という人が多かった。実際に伐っているところを見ても、僕のも含めて結構滑ってしまい、ある程度切り口を直線にならない様に前を上げたり下げたりしないといけなかった。
その中で一人、多分もともと林業に従事されていた方だろうけど、本当に驚くぐらい軽く木にソーが吸い込まれていっている人が居て、とても格好良かった。あとで置かれていたソーを盗み見すると、とてもよく手入れされているのが見て取れた。
それ以来、僕の中では彼が憧れであり、目立ても普段以上にシッカリとする様になった。元々僕はチェーンソーの音と速さが剣呑で苦手なのだけど、彼のチェーンソーの走らせ方は静かで速さを感じさせなかった。それに憧れて、ここ数日は山に薪を取りに行く際に、積極的にチェーンソーを使っている。
今日もソーを持って山に入ったのだけど、若干スターターに渋さを感じて、その場で分解して清掃し、グリスアップした。ところが組み立ての際に、スターターのヒモのリールとリールのバネを留めている軸のボルトが手から滑って雪と枯れ枝の入り交じった所にポトンと落としてしまった。結構大きなボルトなのに、なかなか見つからない。折から降り出した氷雨混じりの雪と冷たく強い風の中で、一時間強、視線がぼやけるほど寒い思いをして、ようやく見つける事が出来た。
夜になって、強い風邪をひいた時に感じる、なんともいえない、子供の頃からおなじみの、あの手触りを感じた。今夜は早く寝た方が良い、そう思いながら、ブログを書いていたりする。


毎朝山に入りながら、シカや他の動物の動きが自然と目に入る。
ここ数日の鹿は、ミヤコザサばかり拾って歩いている。一カ所で根こそぎ食べて行っている。まとめて大量に食べれそうなチシマザサはまるで無視。肴好による順位もあるのだろうけど、なんとなく、この時期にこれ、という順位が決まっている様にも見える。

村の界隈に住んでいる鹿は、大体把握している積もりなのだけど、その中に一頭、去年からあまり大きく動かず地味に自分の居場所を定めて生活している非常に大きなオスがいる。これがとても用心深い鹿で、まだ姿は見た事が無いのだが、痕跡から見るに、その身体の大きさの割に、角は案外小さいらしい。本当はこの鹿を獲りたかった。だが他で必要な数を獲ってしまったので、また今年一年は付き合いが続くことになった。

必要な数以上獲らない、というのは、例えば昔のラコタに於いては、処理出来ない数を獲ってしまう事で狼やコヨーテ等を生活圏に増やしたく無い、という意図もあったとは思われる。
また、精神世界的なものや、それに現代では博愛的なものの見方が大きく影響するか、ともかく、そういった損得以上に、DNAに埋め込まれた神様との、約束事、契約、そんなものの存在を最近は感じる。殺生による罪悪感というのでは変化する道徳観の中では説明出来ない、古今東西を通した決まり事の様なものの存在を感じる。
だから、必要以上は獲らない、というと格好良いのだが、獲れない、という言い方の方がより近い様に思われる。



村の定会に、僕の代わりに配偶者が出た時に限って獣害の話が出るらしく、少し前の定会の際にも農事部から色々と質問されて、私に聞かれても・・・と、大変だったらしい。それに関しては後日、農事部がやって来て改めてアドバイスしたのだけど、はや二年足らずでこの村の動物に関しては一番詳しいと認められる様になった。僕が、都会もん、であることを思うと、これは結構凄いことだ。と、思う。

さて、その定会の雑談の中で、「うち、今年大根を沢山植えたんですが、収穫時期になって、土の上に出てる部分をカプカプ食べよられまして。いや、ほんの1〜2本程度なんです。あれ、何の動物ですやろか?」と聞かれたらしい。
配偶者は「岡居に聞いておきます」というので精一杯だったらしいが、カプカプという擬音語が、噛まれ跡まで目の前に浮かびそうで微笑ましく、またあまり聞かない症状なのでなんだろう?と結構長く禅問答の様に考え続けていた。
「モグラじゃろか?」と聞かれたらしいが、モグラは肉食。色々と取捨選択していって、僕の出した結論。それは虫による被害である。
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by oglala-beads | 2012-01-12 00:42

タヌキのお宿

前にご案内した通り、日常の取るに足りない様な事はミクシでボソボソとつぶやいています。ツイッターの様な感じで、和気あいあいとやらせて頂いております。とは言っても、本当につまらない事ばかり書いております。例えば、今夜書こうと思っているのは、折り詰めのパイナップルと沢庵は区別が難しい、という話です。まあ、興味ある方はのぞいていただいたらと思うのですが、あまりのフニャフニャさにガッカリしないで下さいね。

なお、この機会にミクシやってみたい、という方いらっしゃったら、招待状出しますのでメール下さい。以前は新しいマイミクさんをお断りしておりましたが、現在はマイミク申請も歓迎いたしております。



ものすごく久々に晴れた。
干す場所が足りなくなって玄関前にぶら下がっている皮も太陽の光を浴びている。
ところが、これが山の見せるペテンというのか、日本海側の天気というのか、明日からは雪で荒れそうだ。気温も高いので一番嫌な感じ。
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家から100mほど離れた道のはたをコロがしきりと匂うので、何だろうとよく見ると、タヌキが何かしらやった跡がある。気まぐれに、このタヌキどこに住んでるんだろう、とコロと足跡を追跡してゆくと、雪の積もった田を抜け、畑を抜け、山裾を抜け、あっち寄り、こっち寄りした後、我が家の床下に入っていった。


年末年始はお互いの実家に一日ずつ寄った。バタバタした中で練習しても身が入らず、悪癖が付くかも、という判断で、都合4日間、射撃の練習をしなかった。
中学校のとき、クラブ活動で先生に、練習は一日休むと一週間分遅れる、とことある毎に言われた。それが身についてしまっているのか、なかなか休むというのが下手だ。
でも、射撃は同じ動作をどれだけ繰り返し反復することが出来るか、という競技なので、ともかく常に筋感覚に注意して余計な力が入っていないか、不安定要素を筋力で補おうとしていないかに注意をし続ける必要がある。そして一度身体が覚えた悪癖は抜くのに苦労するので、僕みたいな初心者は全身が余裕で写る鏡が無い場所では練習しない方が良い。
また、身体が徐々に柔らかくなってきていたので、よりリラックス出来るフォームにそろそろ移行する必要があったので、年末年始を機会に一度リセットする積もりで、積極的な休みをとった。
積極的な休みなんだ、と言い聞かせているものの、休みの間も気持ちは焦っていたが、休み明けに鉄砲を持って立ってみて、体幹のバランス感覚が大きく失われていることに気付いて、驚き焦った。
ゼロから新しいフォームを組み立てる必要があったので、前の安定感に未練を残さない為に、結局はそれがプラスに働いたのだけど、休むか続けるか、というのはとても難しいバランスを要求される事なんだな、と思った。
きっと、他の事でも、そうなんだろう。
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by oglala-beads | 2012-01-10 13:07

カレン

こちらに越したての頃、頼まれて、鹿除けネットに絡んだ子鹿を処理したことがあった。

まったく抵抗ということをしない子で、何が起こるの?という顔をして真っ黒な瞳で僕をじっと見ていた。

その後、子鹿を含め、随分と沢山の鹿を殺したが、あの子鹿を殺した時は本当に辛かった。ナイフを首に当てても、小首をかしげて僕をじっと見ていた。
「痛い思いを今からさせなんならん。すまん。どうか、出来る事なら、俺のところに生まれ変わって来てくれ。お前が死ぬまで、俺の愛情で包んでやるから」
そう思いながら柔らかな首を頸椎に傷が入るぐらい強く切り裂いた。
殺した後で確認すると、後ろ足に、ほんのちょっとネットがひっかかっていただけだった。
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よくカレンは僕をじっと見つめる。真っ黒なその瞳を「なんやねん」と見ていて、大切な約束を忘れていた事に気付いた。
何ともいえない感覚。
昔みたアニメの話の様に、昨日まで親友だった友達が別の世界の住人で、別れと同時にまるで存在していなかったかの様に、その大切な人の記憶が全て消えてしまう、その切なさを傍観してたかの様な・・・
または、映画のA.I.のラストで、この幸せな眠りにつくと、二度と目を開くことのない母親が眠るのを、じっと見守っている主人公を観ている、そんな感覚。
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お前は俺のところに生まれ変わってきていたんだな。有難う、本当に。いつもコロのことばっかり可愛がって、また寂しい思いをさせてしまったな。
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by oglala-beads | 2012-01-06 15:05

大雪

昨夜で新たに50cm近く積もっていた。水分を多く含んだ雪なので重たい。
屋根の雪下ろし、雪かき、LPガスの交換の人用の通路の確保等で二時間程かかる。それでも雪国が好きなので苦では無いが、鹿が生延びてくれるか心配。鹿の多い但東町というのは昔話になりつつある。
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今日もこのあと落雷があった。
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by oglala-beads | 2012-01-05 12:01

肝に銘じる

新年初仕事は鞣し。なんとか今日で漬け込みバレルに入っている今季の皮のグレイニングを完了させたい。天気予報では一日雪ということで荒れそうな感じだったが、朝は快晴。うららかな日差しを受けて、リラックスして川原でグレイニングを開始。
川原に積もった根雪に足が埋もれているが、こういう時にシンサレート入りの長靴は大変有り難い。ただ、手は厚いグローブを着ける事が出来ず、大部分は手術用の薄いビニールだけであり、雪の中で感覚を失ってゆく。右手の指をナイフの柄に一本一本巻き付けてゆかなければならない感じだ。どうしても感覚が無くなってしまった時は、川の中に手を漬ける。雪解けの清水だが、ぬるま湯の様に温かく感じる。
日が陰ったと思う間もなく、背後から嵐の雲が湧いてきた。やっぱり降るか、と思うそばから大雪。
もともと気温が低かったのもあって、皮の上にどんどん雪が積もってゆく。ほんの少し鼻を掻いただけで、どこをスクレイパーが動いたのかが分からなくなる。グレイニングには皮の中から水分を絞り出す副産物もあるのだが、スクレイパーの擦過熱で雪が溶けて皮が水分を吸ってしまう。
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それでも我慢して、雪はもうじき止む、と言い聞かせて頑張るが、次第に強烈な吹雪になってきて、皮が飛ばされそうになる。アシスタントが心配して見に来たが、逆にアシスタントが飛ばされそうになっている。写真だけ撮らせて帰らせ、ビームにしがみついて頑張って、なんとか今日落とせるグレインは全部落とした。まだ一部のグレインは漬け込みが不足していた。
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まあ、大変だったけど、ともかく今季獲れた鹿は全部使えるな、去年は全滅だったから、と気を良くして柚の樹の下に道具をしまっていると、何かがカっと光った。皮のバレルのフタを閉めて、ん?と見上げた途端、ガーンと落雷が来た。タイミングからみて300mほどの距離だ。
しまった〜、俺としたことが・・・と悔やみながらも出来るだけ防御姿勢をとって道具を仕舞い、電柱から少し離れながらも沿って家まで帰った。

気象に関して全く知らない人ならまだしも、ちゃんと勉強した僕がこれじゃあ駄目だと猛省した。家の近くの川だからと、気が緩んでいたのだろう。
うちの村は、僕が越してからも一度、携帯電話の電波塔に青天の霹靂の様な雷が落ちて大きな被害が出た。大きな峠の村なので雷雲がエネルギーを貯めやすく、放電しやすい条件が揃っている。今回何事も無かった事を有り難いと思わねばなるまい。
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by oglala-beads | 2012-01-04 19:27