<   2011年 11月 ( 13 )   > この月の画像一覧

小躍り

晩ご飯を食べながら、ニコールキッドマン主演の「アザーズ」という映画を観ていて、最後があまりに切なくて、自分に置き換えてしまい、ちょっとしたパニック症状を起こしてしまった。
ああ、これはあかん。相当心が疲れとる。そう思って、翌日(昨日)をオフにして、皆で佐用町までドライブに行った。
風邪をひいているらしく、肝臓が悪くなっている匂いが血からするのと、胃も相当あれているらしく、沢山の口内炎が出来ている。多分、そういう体調の悪さが心をコントロールしてしまっているのだろう。

さて、佐用に行く用事として一番大きかったのは、僕は鉄砲の修理業者に行くこと。家族としては、有名なホルモン焼きうどんを食べることだった。
但東から斜めに南西に下って、何度も人跡まばらな峠を、古い愛車から何度も煙を立ち上らせながら行くと、佐用はとても趣のある城下町だった。僕は散歩出来なかったけど、散歩した配偶者はとても喜んでいた。
ホルモン焼きうどん美味しかった。

鉄砲の修理職人は相当な歳である。しかも相当な頑固者と聞いている。覚悟していったのだが、実際は言う道理の非常によく分かる、物腰の柔らかい、気ぃ使いぃのおじいさんだった。
僕も「気ぃ使いぃ」なので、とても親近感が湧いた。出来るだけ気を使わせない様に、出来るだけ同じ姿勢のまま、じっとしていた。
店内には、視力の手術を受けたが、思う様に回復しない。思う様な作業が出来なくなったので、そろそろ幕を閉じたい旨の張り紙がしてあったが、紙は黄色く日焼けしていた。

僕の頼んだことは、おそらく日本では、いや世界的にみても、似た事は一つのジャンルとして確立されているものの、他に例をみないことだと思うので、老職人は面食らっていたが、僕が本気なのを察して、「責任はもてんよ」といいながらも、出来るだけの事をしてくれた。
幾重もの礼と共に、お土産のトチ餅を置いて帰った。店の前まで出て見送りをしてくれた。

帰路、多可町を経由して、有名な地鶏の焼き鳥と、これも有名な鯛焼きを買って帰る。

帰宅後、老職人にやってもらった事で充分だったのだが、念には念を入れて、もう一度全部バラして、必要な箇所にエポキシやペディング剤を詰めたり、シンナーで拭いたり、0ミリ単位のバリやカスを取り除いたりして、水準器とトルクレンチとシックネスゲージで慎重に各々のネジを締め込んで、完璧と思える精度に仕上げた。

そして本日は試射。正直いって、誰もやっていないぐらいだから駄目なのだろう、惨敗だろう、でも最悪じゃなかったら良いかな、ぐらいの気持ちだったのだが、我ながら一発撃つ度に狂喜乱舞で射座を小躍りしながらウロウロするぐらいの結果が出た。

自分自身で、常識を無視して考えに考えて出した結論を信じて、少しずつパーツを集めて出来上がったものが、想像以上の結果を出した。これほど嬉しい事はない。

以下、鉄砲撃ち向けの話

870のスカウトライフル仕様が完成しました。ブリネッキ仕様として、26”のスキート銃身のリブにマウントを載せ、Nikonのモナークのハンドガン用の2倍率スコープを装着。
アライメントの際に、リブが捩じれるのを確認したので、ああ、弱いんだな、こりゃあ駄目かなあ、と思ったのですが、試射の結果、5発撃って、50mで3センチ以内に全弾集りました。すべてワンホールです。未調整にも関わらず、MSSと同程度か、それ以上の集弾でした。
[PR]
by oglala-beads | 2011-11-29 23:21

とりいろいろ

犬を使わない完全な単独猟なので、色々な情報が必要になる。
僕は鳥をとても重要視している。

夜明け時分に山に入ると、アオバトの鳴き声に出ばなをくじかれることがある。
山裾はほとんどが植林で暗いので、一番気持ちが塞ぎやすいし、入山するところを鹿に見られると困るので、麓では一番緊張している。
そんな時に、あの花札の絵を思い出す様な鳴き声を聞くと、なんとも嫌な、みじめに近いぐらい嫌な気分になる。
実際にアオバトに鳴かれた時はろくな事が無い。
だから鳴かれた時は、さっさとそこをあきらめる。

カラスとトンビは夜明け前からウチを見張っているのだろう。もちろん、僕が枝にかけておいてやる肺臓等ねらいだ。山に入ろうとすると、その山の上空をグルっと旋回して、キッチリと鹿の上で鳴く。
最初これは有難かったのだけど、最近は良い迷惑で、カラスに鳴かれることで、鹿が警戒して場所を移動してしまう様になった。
気温や日照や、色々な具合を考えて、必ずここに居る、という寝屋に忍び寄る猟なので、気付かれない様に車を停める場所、山に入る位置、巻いて行くコース、裸足になる場所、忍び寄るルートを決めている。だから移動されたら最初からやり直しになってしまう。

一番有難いのはヒヨドリや小鳥。動物の移動に従って、鳴きながら逃げるので、鹿がどこを動いて行っているかが分かる。ただ、混成群は案外大胆で尻が重いし、動いても距離が短い上に梢を縫うので、逃げているのか単なる移動か分かりづらい。混成群の中にシジュウカラ等の見張りがいれば、分かりやすい。
[PR]
by oglala-beads | 2011-11-27 13:24

猟師特有の心性

山に入るのが楽しくて仕方ない様に思っていたのだが、やはり心は疲れていたらしい。昨日夕方から今日の昼まで、何もせず、コロとただ寝ていた。何もすることが出来なかった。

今日の昼になって、ようやく本を読む気になって、布団の中で「イノシシは転ばない」の続きを読んだ。ちょっと面白いことが書かれていた。

以下、同書(福井栄一”イノシシは転ばない〜「猪突猛進」の文化史”技報堂出版2006.12.10)より引用

=============

 なお、こうした猟師特有の心性については、千葉徳爾が「狩猟伝承」の中でうまく表現しているので、引用しておく。

要するに、山中孤泊の体験者としての猟人は、もちろんその行動をすることのできない農民や商人にくらべて、剛胆で孤独に耐えられる人物ではある。しかしながら、そこに寂しさや恐怖が全くないと言えば嘘になろう。大胆で強気ではあるけれども、それは平常心では無くて、緊張した非常心として耐えているのである。そうしていつ来るとも知れぬ獣を求めながら、人跡稀な山中を歩きあるいは待っているのだから、自己省察においても、日常雑事に追われる市井の人々よりも、はるかに深いところに到達している場合が稀ではないのである。

 当該猟師も、その自己省察と洞察力において、皮相な信仰心だけに立脚して宗教者を自任する聖をはるかに凌いでいると言わなければならない。

=============

もちろん、現在の猟師のほとんどは、自己省察などとは無縁のところに居る。ただ、自分は各個々人の猟師の人間性に関して疑問を感じている訳では無い。あくまで猟に対するものだ。
自分は、猟をスポーツと言い切れるハンターには違和感を感じるが、それでもこの、僕のコメントに対する高槻成紀先生の返信が、それを上手く言い表して下さっていると思う。「野生動物と社会」へのご意見とそれへのお礼
むしろ若手の、稼ぎの手段では無くなった現代のハンター達の中にこそ、自己省察に近いものが生まれつつある様に思われる。


同書には他にも面白い記述が多く、一読を勧めるが、中にも猟師なら泣ける一節がある。
第五章第二節「猟師達の苦悩」がそれだが、全部抜き書きするわけにもいかないので、詳しくはご購入頂きたい。
目次だけここに引用しておく。

第二節 猟師達の苦悩
1. 罪悪感を植えつけられる
2. 蔑視の始まり
3. 孤立する猟師
4. 里や町の人々の偏見

そして、それに対する”免罪”ともなる諏訪信仰についての記述に続く。

第三節 諏訪信仰
1. 「諏訪の勘文」の由来
2. 「諏訪の勘文」の効用
3. 諏訪大社の由来
4. 菅江真澄も見た御頭祭
5. 「鹿食免」という免罪符
[PR]
by oglala-beads | 2011-11-25 19:39

匂い

犬の、落ちた毛を配偶者が薪ストーブに入れたので、悲鳴をあげてしまった。
1995年1月当時、神戸中心部に住んでいた人であれば、絶対にやらない事だと思う。
当時、それほど深刻に考えていず、知り合いが、母親が瓦礫の下で焼け死んでいくのを見守る事しか出来なかったという現場の横を毎日通勤で通っていた僕ですら、いまだに嗅覚がヒトの焼ける臭いを覚えていて、自分でも驚く程、それへの抵抗が出た。


ペヨーテを少し休んで、whoの財布のビーズ部分の制作に入る。
一番慎重にやる必要がある、革の切り出しと台紙への添付の手順を思いながら、気持ちを集中させるためにボ〜っとしていると、少し前にCSで観たナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンの「ブーリン家の姉妹」の処刑シーンが浮かんで来て身震いした。
処刑の仕方、ではなく、当時の、中世の、人命の軽さに。
久しぶりにホイジンガーの「中世の秋」をひもときたくなった。
昔と違って、学問としてではなく、そこに救いを求めようとしている自分がいる。

疲れているのだろうか。


一歩間違えば、生類憐れみの令になるのだが、暗黒時代と呼ばれた中世ヨーロッパを現代人が思う様に、現在の駆除主体の野生動物行政を思う時代は来るだろうか。
[PR]
by oglala-beads | 2011-11-23 17:53

身体がえらい

現在、10頭の鹿が同時に鞣しのラインに乗っている。
薪の調達も同時に行っているので、身体が悲鳴を上げている。


1193年5月、時の権力者、源頼朝は富士の裾野において盛大な巻き狩りを行ったらしい。
騎乗の武士99,490名、下級武士・勢子など594,600名が参加し、狩られた鳥獣は、イノシシ・シカだけでも合計11,640頭だったという(”イノシシは転ばないー猪突猛進の文化史”福井栄一、技報堂出版、2006年)。
歴史的に見る、獣害や、鳥獣の生息密度を調べていたら出て来た数字だ。

ライフログ(横に出ている推薦図書等)に「日本のシシ垣」を追加しました。やはり何度読んでも良書です。


猟は、今年の必要数に大手をかけたので、今日あたり終了かと思われたが、押し方が甘く、引きに乗ってこなかったのでボーズに終わる。猟が終わっても、こういった駆け引きを覚えるため、やはり猟期中は鉄砲を持って山に入ろうと思う。弾を入れずに、限界まで寄って引き金を引く。殺さない、痛めない、人の怖さを教える、よい試みと思う。

あれほど怖かった山が、今年は楽しくて仕方が無い。駆除で散々熊と出くわしたお陰で、熊は人を見ると、本当に余程で無い限り逃げるものなのだ、と聞く以上の体験を積んだので、今は逆に、熊と会えたらラッキーだ、ぐらいに考えている。
[PR]
by oglala-beads | 2011-11-22 21:58

なんとかなるだろうか?

たまっていく一方で、冷凍庫に入らなくなったので、思い切って一気に皮の処理をすることにした。
獲った8頭全部やるつもりだったのに、4頭しか出来なかった・・・
すごい脂肪。厚い皮。しなやかな皮にこびりついた、強靭な肉と結合膜。やはり、良い時期の鹿は凄い。でも作業は半端無く大変。

朝ご飯前に猟に行って、ご飯を食べてから、昼までの間しか皮が出来ない(昼からはビーズ作業。現在ペヨーテ・バングルと格闘中)。
8頭全部の前処理が終わったとしても、本処理は絶対に同時に出来ない。
さあ、どうするのか。
それを考える間もなく、始めてしまった・・・
[PR]
by OGLALA-BEADS | 2011-11-20 19:33

火入れ

お昼ご飯時、CSでやっていたマイケル・ムーアのキャピタリズム。
夕食時、ニュースでやっていたブータン国王夫妻の来日の様子。
色々と考える。

山は鹿の食草が少なくなってきた。
昔の邦画のお遍路の母子の様な姿に、今日は撃たず。
我が家の煙突が、遠くから僕に手をふっているのが見えた。
[PR]
by oglala-beads | 2011-11-18 19:23

猟期入り

猟期入りして、今日までで3頭だから、予定通り。
11月中、遅くても12月初旬、鹿が里に降りて来るまで、に、今猟期を終われそうだ。
e0114922_20463848.jpg

愛銃MSS20も猟用の装い。
e0114922_20512883.jpg

もう一つの愛銃、頼れる相棒、870用のスコープがアメリカから届く。
[PR]
by oglala-beads | 2011-11-17 20:58

供養塔

有害捕獲隊のみんなは、今頃コンパニオンのお酌でカニを食べているらしい。
僕は、どうもそういうのが苦手で欠席。
あ〜、ただ酒に釣られて来てます・・・って顔をしていないかな・・・
俺、今スケベな顔してないかな、とか・・・

皆、とても楽しみにしているので、不参加というと驚かれる。有害捕獲の際には見た事も無い人が沢山・・・いやいや。

実際に、命がけでやっている訳だし、数字上の効果も上がっているから、そういう接待もアリなのかな。そういうのがあると初めて聞いた時には驚いたけど。

でも、あくまで僕の希望なのだけど、本当に命がけでやっているので、むしろ、例えば年金とは別の、公務員水準の遺族保険とか、そういうのを整備してくれる方が安心して公務に行ける。

それと、鳥獣供養塔を各町に整備して欲しい。
鳥獣供養塔なんてのは、単に塔であって何の意味も無いから、むしろ一つ一つの死をちゃんと覚えていたり、そういう犠牲の上で成り立っている生活というのを常に自覚していればそれで良いと思う。

それなのに、何故、作って欲しいかというと、これは僕ら猟師の為のものではない。
僕は、市の、全ての百姓、そして、すべての農作物を食べている人達に、毎年一回でいいから、手を合わせて欲しいんだ。

鳥獣供養の塔が無理なら、市の防災無線でいいから、一月に一回、いや一年に一回でいい。ヒトの生活を維持する為に殺されていったり、親兄弟を亡くす悲しみを味あわせてしまった、彼らに黙祷して、悼む日を作って欲しいんです。




さて、猟師のみなさん、明後日からいよいよ猟期です。
壮行として、一つの詩をプレゼントいたします。
無事故、無違反で、一年間鍛え抜いた成果を出しましょう!



「雀のかあさん」

 子供が
 小雀
 つかまえた。

 その子の
 かあさん
 笑ってた。

 雀の
 かあさん
 それみてた。

 お屋根で
 鳴かずに
 それ見てた。 


(金子みすゞ)
[PR]
by oglala-beads | 2011-11-13 18:29

着信アリ・・・

あまりにネットに絡んだ鹿の処理依頼が多いので、携帯電話が鳴るとビクっとする。
幸い、15日までの事なのだが。
反動か、最近、虫も殺すのがしんどい。
[PR]
by oglala-BEADS | 2011-11-11 13:17