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嫌みな日記

僕の、鉛筆をサイコロにして受かった英検の能力ではヨクワカラナイのだけど、アメリカの友人達はメールで、火の匂い、だか、暖炉の匂い、だとかいう意味の言葉をよく使っている。人生の成功だとか楽隠居とかいう意味の様で、友人達はその言葉を、自分達には縁の無い憧れ的に、自嘲気味に使っている。それほど薪を使った火というのは贅沢な事なのだと思う。
贅沢とも、楽隠居とも、人生の成功とも、全く縁の無い馬車馬の様な僕の人生の中に薪ストーブというものがやってきた。こういう、買いました、付けました、みたいのは嫌味以外の何物でも無いと、少なくとも僕は、思うのだけど、実は事情があって全くお金がかかっていないので、許してほしい。

薪ストーブとはいっても、外国製のガラス窓のついた本格的なのは、それこそ楽隠居をイメージして、反ブルジョアな、弱左思考の僕にはゾっとするシロモノであり、選んだものは昔ながらのダルマストーブ。最初、配管も自分でと思っていたが、それも、くどいが事情があって、タダでしてくれることになったのでプロに任せた。その判断は、設置が終わって、この強烈な火力を前に、決して間違っていなかったと思った。
薪もタダである。家の両側に、なんだかんだと雑多な木材が積んであって、もうほとんどが古くなって燃やすしか出来ない様な状態だった。これが家の中の湿気を増長させたりシロアリを呼んだり、ありとあらゆる害をなしていたので、処分したかったのだが、あまりの量で難しく、燃料に使うのが最善と思っていたので、自腹でも薪ストーブは導入の予定だった。

薪ストーブのある生活は、冷静に考えると嫌みな生活で、あまり人には言わない方が良いかもしれない。
朝起きてコロを連れて散歩猟から帰って来たら、チェーンソーと斧を持って納屋に行く。山と積まれた木材から適当なのを引っ張り出し、焚き付け用と本格的な火用の薪を作ってストーブに火を入れ、ヤカンを置く。朝ご飯を食べたらカンカンに沸いたお湯でミルクティーを入れてもらう。ダッコをねだるコロを膝に載せ、リムスキー=コルサコフのシェヘラザードを聞きながら、窓の外の紅葉を眺める。昼が近づくとカレーの入った鍋がその上にかけられる。食材は僕が獲った鹿であったり、近所でもらった野菜だ。一日の終わりにも、残り火でミルクティーを飲む。配偶者と今日の仕事と明日の予定について語り合いながら、シカの声に耳を傾ける。

工房は広いので、8号という、大きなストーブを入れたのもあって、薪をかなり多く消費する。上手くいけば、この冬だけで処分したかった木材を使い切れそうだ。それらが無くなった後は、間伐や風害で放置された樹のうち、片付けた方が良い物を使う。おそらく5年もすれば、裏山のそういった樹はすべて片付くだろう。そういう倒木を、片付けたいがその後どうすればいいかで悩んでいたので、本当に一石二鳥だ。

ブルジョア的贅沢には縁が無いけど、そういう、自分の、無理の無い日常が、何かを育んでいるという贅沢が、薪ストーブが運んでくれた、一番の温もりだ。




薪ストーブが来るまでの状態
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薪くべ係
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薪制作担当
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散歩猟で何か獲れたら一輪車が活躍する。でもムシがやられていて、獲物を積んだ瞬間にタイヤの空気が全部抜ける。毎回ホームセンターに行く度に「はて、何か買わないといけなかった様な・・・」とムシを買うのを忘れる。
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解体はもちろん僕だが、精肉は配偶者の仕事。随分と上手くなった。
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by oglala-beads | 2010-11-29 18:57

ワル太郎、御用。

集落で散々悪さをしていたイノシシ、ワル太郎にようやく引導を渡す事が出来た。
前回180mで気付かれたのを教訓に、慎重に忍び寄って、50mぐらいから。
きっと本人は何が起こったか気付かない内に旅立っただろう。
苦しませない事は、僕に出来る唯一のはなむけだ。
解体してみると、脂肪がまったく付いてなかった。
僕らからするとワル太郎。
本人は生きるのに必死だっただけだ。
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by oglala-beads | 2010-11-28 18:26

逆行?

猟銃の免許をとったのが昨日の事の様だが、3年に一度の更新の一回目を本日申請した。
「ゴルフより安い趣味だ」とよく比較されるが、どうだろう。ゴルフはやらないが、猟も本当にものいりだ。

更新と同時に、新銃のニッサンミロクMSS-20の確認を済ませた。こちらもスコープの位置等の調整の詰めが終わり、マウントリングに松脂を塗って固定した。照準を納得いくまで調整してから実戦配備する。積雪期に間に合わせたいが、完璧に納得いく状態に仕上がるまで待つつもりだ。

朝の散歩猟の時に、かなり巨大なイノシシと遭遇。畦を徹底的に破壊しているのは、この個体か。
距離が結構遠くて(後で地図上で計ると180mあった)、畦にへばりついて全く動いていなかったので、自分でもよく見つけられたなあと思う。なのにこの時既にこのイノシシはこちらに気付いていた様で、こちらが移動を開始した瞬間に飛ぶ様に逃げて行った。
時間が無かったので深追いは出来なかったが、どこを逃げたかだけ見ておこうと追っていった時、別方向から大きなオス鹿。
動きが落ち着くのを待って頸部を狙って引き金をひく。幾度も調整を繰り返した愛銃レミントンM870から発射されたアポロ12号猟用スラッグ弾は、狙いと数センチ違わず、一瞬で頸動脈、頸椎、そして頸髄を破壊し、オス鹿は神の手から離されたかの様に地面に崩れ落ちた。

今猟期は三頭ほど獲れたら充分で、そのうちオスが一頭と思っていた。それがこんなに早い時期に獲れるとは思ってもみなかった。メスと子供は現在すべて見送っているが、例え三頭全てをオスに限定したとしても、雪が降るまでに、僕の今猟期は終わってしまうかもしれない。


前々から思ってはいたのだが、最近いよいよインターネットでの宣伝・広報の効果に疑問を感じる様になってきた。例えばブログでの新しいエントリーを完全にストップしてしまい、新しい情報は取扱店舗に行かないと得られない様にする等の時代への逆行も、あながち逆行とは思えない。
そうするためのきちんとしたシステムが整えて、なおかつ店舗側が緊張感を保ち続ける事が出来るのであれば、良い選択かもしれない。直接工房に来る人への間口も広くする必要があるだろう。
検討に入ろうと思う。
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by oglala-beads | 2010-11-24 22:11

知らなかった

「ゲバラに比べたら、軽いもんよ」と、うそぶきながらも、割合重い喘息持ちだということが発覚したのが数ヶ月前。
毎年秋になると呼吸もしんどいぐらいになる。
今年は楽だったが、それでもようやく気を抜く事が出来る様になった昨今、何故か体中が痒く、カサブタを作るあの体液に悩まされる様になり、はじめて自分がアトピーも持っていたことに気付いた。思い起こせば心当たりは高校生の頃まで遡る。

知らなかったといえば、数日前に配偶者が結婚式の帰りにFunnyさんのIMP店、つまり魔王に会いに行ったのだけど、まったく商品が残っていないぐらい完売状態なのかと思ったら、青い色の商品に関しては、長い間売れ残っているものもあったらしい。前から「ここでは青は動きにくい」と聞いてはいたのだが、ちょっと驚いた。
同じFunnyさんでもディズニーランド(イクスピアリ)の方では青から動いている様なので、関西関東での趣向の違いだろう。普段注意している積もりなのだが、どうしても注文個数が多いと、色のバリエーションを持たせようとして、そういう店舗の苦手なカラーも混じることになる。それでも売れ残っていたのが各色自信のあったカラーなだけだけに、ちょっとショックだった。
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「受領は倒るるところの土をも掴め」というが、まあそういう生き方は出来ないまでも、売れ残っていた商品の写真を掲載してみよう。いずれも自信作。IMP店、通販可能です。

新デザインのモカシンに施した新デザインが組み上がってちょうど入荷したところだったらしい。
これは偶然、再組み立ての時にトラブルでビーズが割れたらしく、補修に戻って来ていたので幸運にも完成形を見る事が出来たが、同時に納品した数点は店頭に並べるやいなや売れてしまったらしい。
ラコタにもこういうボーダーのデザインは多いので、そのせいか、案外単純ながらもインディアンらしさが立って来るデザインだ。
デザインの発案は魔王だ。
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新しい家族が来た。
岡居可憐。今年の9月28日生まれのスピッツの女の子だ。
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コロは今まで一人っ子で、常に僕の横に居る。仕事の時は机の横に毛布を敷いて寝ながら時々僕を見上げては安心してまた寝入る。一時間に一回「だっこして」と膝の上で寝ている。トイレに立つとついてきて扉の前で待っているし、コタツに入ればへばりついて寝ている。
夜はこんな感じだし、
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猟にだってついてくる。
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車の助手席は彼のリザーブシートで、僕はここ最近一人で運転した事がない・・・
・・・という状態なので、当然、コロの嫁さんとはいえ、迎え入れる事を凄く悩んだ。新しい子に愛情がいってしまうという事に関しては、不思議と由紀も僕も考えなかったのだけど、要は新しい子にちゃんと愛情をかけてあげることが出来るか・・・ということだ。
正直言って、まだ4人の関係はギクシャクしたものなのだけど、それでも少しずつ打ち解けつつある。
可憐はコロの子供の頃によく似ている、素直で頭の良い、おてんばさんだが、上品でなんとも言えない可憐さをもっている。

家の庭に毎日ヤマドリの家族がやってきて目を楽しませてくれている。両親に子供3人。鳥撃ちをやる人にはたまらない獲物だろうけど、僕は鳥はちょっと・・・よう殺さない。遠くから見て、彼らのダンスや歌等を楽しませてもらうのが専門だ。
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by oglala-beads | 2010-11-22 21:36

可憐

「続・◯◯(うちの村の名前)◯◯◯番地の奇跡」計画発動中。昨夜も徹夜。
今月末までにNew Deal、Whol、Funny IMPの待ってもらっていた革もの、そして先日のNuu-の残りを発送するという、まさに奇跡のスケジュール。


11月15日から猟期入り。今までとは違った感覚の猟期入りだった。
なんせ朝起きたら猟場の真ん中に居るので、今までの様に夜中に起きる事も過剰に緊張することも無い。
合わないワクの中に自分を押し込めるストレスも無い。

今期自分に戒めたのは、無理をしないこと、仕事中心でいること、自分らしい猟をすること。
今の兵庫県の野生動物と人との軋轢を考えると、沢山獲る事が正義だと思うのだけど、僕は猟に関しては、やれ理想だの、動物の尊厳だのが言える趣味人であるので、どうせそうならストレス無く、楽しんで猟をしようということを第一義に置いた。
結果的に、報奨金制度にはエントリーしない。団体猟に参加しない。今年は山歩きする積もりで始める。ちょっとでも迷いを感じたら撃たない。車を使用する等、楽が出来るのであれば楽をする。
それを行動の指針にしたのだが、これって結構周りの目を気にするのであれば難しい事だと思う。
別にハンターの人達に「あいつ、全然獲れてない、下手だ」などと思われるのは痛くも痒くもないのだけど、集落の人達から「あの人、頼りにならん」と思われるのはかなり辛いものがある。
でもそれも開き直ることにした。
要は自分を大切にすることにした。
誰のための猟でもなく。
殺すことをではなく、自分という存在がやる猟という、世界に一つしかないものを楽しもう。

結果的に、母一人、子一人の鹿を見なかったふりをしてる自分に爆笑しながら銃をペチペチ叩いたり、朝食前の一日30分で終わる猟だったり、猟の最中にバス停に寄って朝刊を取って来て腰掛けて読んでいたり、なんとも不甲斐ないのだけど、これが非常に楽しい。ものすごい開放感。師匠と二人で山に入った時と同じ楽しさ。

実は今年は冷凍庫一杯に鹿肉があるし、皮も二年は獲れないでも大丈夫なぐらいの鞣し途中のストックがある。だから本来は今年は鹿は獲らない方が良い。かわりに、今年は集落にものすごい数の猪が居着いているので、それが適切な数になる様に、駆除しようと思っている。


さて、そんなこんなで猟期入りの日、集落を車でパトロールしていると、回転灯をつけた車がやってきた。猟の違反者の見回りだ。違反は無いのだけどやっぱり緊張する。去年までは猟隊の仲間と一緒だったから何も感じなかったけど、単独猟だとすべてが自分の裁量であり責任なのだ。それを現実として突きつけられて緊張し、何故かエンストさせてしまった。
パトカーから出て来たのは僕担当の刑事さんで、極めて和やかだったんだけど、その後ろにテレビカメラがついていて驚く。猟期初日の巡回の様子を撮っているらしい。
「カメラが回るって話、皆に伝える様言ったんだけど、聞いてない?」
「いや、聞いてないです」
「おかしいなあ」
カメラっていうより、巡回があるのを伝えたくなかった人が、居るんだろうな。僕を快く思っていない人の存在を、最近ヒシヒシと感じる。

「ところで岡居さん」
「はい」
「許可出たよ」
「マジすか!?」
「マジ、マジ」
待ちわびていた新銃、長距離砲の許可がやっと出た。3ヶ月半。長かったなあ。25日の入金があったら、すぐ取りに行こう。


明日はついにコロのお嫁さんを我が家に迎える。名前は「可憐」。コロが惚れる様な可憐な子でいて欲しいという願いだ。今年の9月28日に長野で産まれ、現在はスピッツ協会の会長が健康状態等をチェックしてくれている。明日、羽田をたって伊丹空港に一人旅をしてくる。ベルトコンベアの上を、可憐が流れて来る。
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by oglala-beads | 2010-11-17 23:02

◯◯(地名)◯◯◯番地の奇跡

今週から猟期入りだし、週末にはコロのお嫁さんがやってくる。
新しい銃(まだ許可は出ていないが)の弾のお金を置いておかないといけないし、ジムニは車検。
手元不如意である。

そこで表題の「◯◯(うちの村の名前)◯◯◯番地の奇跡」計画を発動させた。
要は、締め日に合わせて出来るだけの商品を納品することである。しかし立てたスケジュールが半端ではない。
まさに出来たら奇跡。
そして奇跡は起こった。。。のだが二人して何日寝なかったか・・・

てことでおやすみなさい。

納品商品の。。。フゥワ〜ゥワゥワ〜。。。写真は作業日誌にて。
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by oglala-beads | 2010-11-14 22:36

11月第二週の諸々

峠の我が家の明日朝の予想気温は3度。これが、陽が昇ると一気に10度程高くなる。
という訳で、この時期は雲海が名物だ。とは言っても、我が家はその雲海の中で、時間によっては視界ゼロに近い。写真はだいぶ霧が引いた時のもの。
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日本海と内陸とを隔てる山脈の一部に属しているので、夏は内陸の暑い空気が日本海側の涼しい空気とぶつかって、山脈の南側(朝来辺り)が毎日大雨だった。冬になると日本海側の寒気が内陸の温かな空気とぶつかるため、峠の我が家辺りの気候が常に不安定になる。気温が高い割に雪が多い由縁だ。まだ雪は無いけど、天気が非常に不安定で、晴れているのに雨が降る。たった1時間程の散歩に出る時は晴れているのに、途中何度も雨にあう。伊達ではなくて、バーヴァーが必需品になった。
そんな気候なので、たまにあるカラっと晴れた日は何よりのギフトで、配偶者は「それっ!」と縁側で布団を干す。コロがそれにのってひなたぼっこをする。「きゃ〜、可愛い!ひろ、来て来て!」と呼ぶので、見に行って、そのまま三人で縁側で寝込んでしまう。工房のストーブから、イモが焼き上がった匂いがする。トビが舞い、ジョウビタキとカシラダカ、セキレイがさえずる。カケスが騒ぎ、鹿の遠音がする。
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先日、やっと一枚、鹿のブレインタンが鞣し上がって、ようやく革系の商品の制作が始まった。
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それなのに、nuu-さん用の、
medicine necklace pouch x 5
turtle mini pouch x 5
lighter sheath x 3
bear truck pouch x 3
これだけとっただけで、もう半裁の大部分を使ってしまった。早急に次の革の準備にかからなければ。
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これ以上放っておいたら耐塩のバクテリアに喰われてしまう毛皮のうち、片手間に出来る小型獣のものを4匹同時に作業して、一応一回目のソフトニングを終える事が出来た。これで保存さえしっかりやれば、何年でも本ソフトニングまで放っておける。
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手に持っているのがアライグマ。手前からアナグマ、タヌキ、イタチ。アライグマの革の内側がちらっと見えているが、ちゃんと手間を惜しまずにやると、一回目のソフトニングの途中でも、これぐらいは白くなる。
ならなかったとしたら、根気と根性の不足。
僕は全く革鞣しを教えていない訳ではなく、技術はブログで公開しているし、ちゃんと筋を通せる人には用意もある。でも、そのために時間を割く事は残念ながら出来ない上に、言葉で伝えるのには限界があるので、最低一ヶ月は近くに住み込んで作業を見て覚えてもらうことになる。幸い近くには自炊出来る安い宿がある。レッスンは冬限定。希望者は、僕の気が変わらないうちに。


革作業を片手間に出来る方法を今回編み出した。これからの鞣しは大分楽になりそうだ。毛皮の販売も視野に入って来た。万を持して、次は師匠の知人の床ずれ対策に頼まれている鹿の毛皮をやって、熊二頭。楽しみだ。雪が降る前に全部完成させたい。


先週、射場に最後の調整に行った。家族と行ったのだが、配偶者は怖がって遥か遠くから写真を撮っていた。
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by oglala-beads | 2010-11-10 23:33

peyote earrings、りんご

Funny IMP店の担当者、通称”魔王”から電話で、「peyote earringのリンゴ、あれ、材料あるだけ欲しいです」とリクエストがあった。
今回出荷した商品はどれも大好評だった様で、普段それほど褒めない魔王が「全部すっごい可愛い!」と絶賛してくれて、非常に「明日への”活力・・・活力・・・”(サンテレビのCM風に)」になった。
どうも最近、今までは満足して作って来た商品が、僕自身の今の感覚に合わなくなってきて、毎回何かしら、今の感性に合致する様な変更を施している。
今までは気付かなかった様な部分が、環境が変わった事で気になる様になってきたんだろうな・・・と思う。
そしてそれがお客さんに喜ばれているのだから、引っ越してよかったな、と思う。

そのpeyote earringsのリンゴ(魔王はサクランボと呼んでいた。確かにそっちの方がピアスに仕上がった姿は近い)の石だが、随分と高かった記憶があったので、今後も作れるのか調べると、なんとあれは珊瑚らしく、値段もpeyote earringsの下代の半分ぐらいしていた。
ということで、もしあの石が特売になる時があったらまた制作出来るかもしれないけど、基本的には今回と、そして次にIMP店に入れるもので終了です。


商品用の革がまったく無くなってしまっていたのだけど、やっと、ようやく一枚鞣し上げる事が出来た。
新工房での鞣しは、まだ色々とシステムを作らないといけない部分はあるものの、非常に快適で、また今回は新しい試みを加えたのだけど、それが大きな功を奏して、作業が段違いに楽になった。
それは簡単な事で、鞣し液を全卵から黄身だけに変更しただけなのだけど、浸透がよくなったらしく、難易度がトップクラスの皮だったにも関わらず、3回のソフトニングでほぼ毛布の様な柔らかさに仕上がった。
早速この革で、今月15日までにNuu-、Whol、New Dealを入れたいのだけど・・・
う〜ん、Nuu-で精一杯かもしれない。
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by oglala-beads | 2010-11-04 23:23

I will miss you, deer

本日FUNNY IMP店へ出荷。詳しくは本日の作業日誌をご覧下さい。

と、今、このエントリーを書いていて、久々に窓の外で鹿が鳴いた。
雨の多い峠の村にあって、久々に星の綺麗な夜だ。
気温も落ちて、空気も澄んで、音が闇にシンと吸い込まれている。
谷で反響して、澄みきった、本当になんて美しい声なんだろう、と思う。
「鹿、いるよ〜!」と配偶者が母屋から呼ぶ。
行くと、寝室の前の窓の外で草を食んでいる。
『なんの因果で、こいつら増えちまったんだろうな・・・』と思う。
こんな美しい生き物、撃ちたくないなあ・・・と本当に思う。
ユーモラスな猪も、神々しい熊も、やっぱり撃ちたくはないんだけど。
本当は、駆除とかには関わらずに、地域からも猟友会からも嫌われていいから、自分が必要な鹿だけ、毎年獲れたら、それが一番幸せだろうな、と思う。

兵庫県では、増え過ぎた鹿を正常な数に戻すため、今年、鹿を沢山殺した人に報奨金制度を設けた。
僕の地域に住んでいたら、それで50万円ぐらい稼ぐのは、そう難しい事では無いらしい。
うちの村は皆、非常に呑気で、「ずいぶん派手にやられてもうた〜〜わはははは〜」と、被害が多い割には切迫感が皆無で、地域の猟友会からも呆れられている。だからここだからこそ、あまり駆除したくない派の僕なんかが優しく迎え入れられているのだけど、一歩、数キロ先の村に行ったなら、即座に白い目で見られるだろう。
今の兵庫県では、鹿や猪の害に苦しむ農家の絶望は非常に深い。
先日、某NPOの獣害を考えるシンポジウムに参加した際、「どうせ対策も何もキチンとせずに文句いう農家や、変な動物愛護家や、相手を生き物とは見れない目の血走った汚い猟師ばっかりだろう」と、参考書を揃えて、最初からケンカする積もりで乗り込んだんだけど、いや、ビックリ。僕なんか口出し出来ないぐらいハイレベルの集いで、全員が現場を知り尽くしていた。『あ、それは違う』と思う事があっても、僕が資料を繰っているうちに、誰かがソラで数字をあげて反論をしていた。
例えば、「空前絶後の獣害」という言葉に対して、「いや、江戸時代はもっと酷かった」。
「きっちり対策しているのに、どうして・・・」の言葉に、「いや、そのやりかたじゃ駄目だ!詰めが甘いんだろう」等。
僕なんか恥ずかしくなる位、みんな本当に真剣で深刻だった。
僕は、兵庫県の報奨金制度を一環してけなしてきたけど、この嘆きの深さを前にすると、「いたしかたなし」に傾いてしまった。
いや、正直言って、シンポジウムに出ていた日本一の農家というオヤジは、自分の事しか考えない嫌なヤツと思った。他にも発言していた大規模農家は、自分が基本に則った防除を施していないにもかかわらず、他人まかせで「せっかく遠くから、時間をかけて来たんだ。誰か何とかしろ!」と恥ずかしげもなく叫んでいた。インディアンと同じで、今の日本の農家は、規模が大きくなる程、福祉依存体質が鼻につく。それでも僕はラコタ「は」好きだし、動物と上手く付き合っている小規模農家のうちの村のみんなが好きだけど。
本当に深い、私憤ではない嘆きをもっているのは、意外や、動物に対する慈しみをもった人達だったことに驚いた。
報奨金制度で、おそらく県が目標にしている駆除数値は達成出来るんじゃないかなと思う。制度について説明に来た猟師も、目の色が変わっていた。
殺された鹿は、本来は焼却や、埋葬や、食用にされるはずなのだけど、実際は、人目につかない所で撃たれたものは、そのまま、歯だけ抜かれて(報奨金制度で、確かに獲ったという証拠になる〜まるで秀吉の耳塚だ〜)放置される。放置された鹿を狙って、熊が来る。人目につかないといっても、どうせ年寄りハンターは山の奥には登れないから、集落近くに熊が降りて来る事になる。そして熊が駆除される。
県も馬鹿ではなくて、それは非常に良く分かっているらしく、なんとかして鹿を有効に活用(市場に流通)しようと突破口を血眼になって探している。放置される鹿と、その結果を、一時目をつぶってでも鹿を減らさないといけない・・・

僕は報奨金制度にはエントリーしないつもりだ。貧乏だけど、思想に潔癖さを欠いては、単なる餓鬼になる。
駆除隊の後輩M君に「でも、エントリーしないこと、人に言う時は気をつけて下さいね」と忠告されていたが、仲の良い何人かに話をした。途端に、皆、目を血走らせた餓鬼になって僕が撃った鹿の歯を得ようと、言葉だけは美辞麗句を並べて忍び寄って来た。臭い。息が。

「もう、照らすの、やめたってくれ。放っておいてやってくれ」
配偶者の懐中電灯に照らされた鹿を見ていて、涙が出て来た。
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by oglala-beads | 2010-11-02 23:13