<   2010年 08月 ( 14 )   > この月の画像一覧

9月の予定

9月はブログの更新が少なくなると思うので、日々の出来事に関しては、最近ますます読者も増え、独自色も強くなってきたアシスタントのブログを参照して下さい。


9月の納品は、

直接受注分の個人オーダー数十点(個人オーダー分は基本的に作業日誌には非掲載)、
funny(モカシン)
new deal(前回の残り)
funny imp(革モノを除くOGLALA商品)
new deal(リピート・オーダー分)
whol(リピート・オーダー分)
funny imp(革モノ)

という感じで予定しております。
これは結構ハードなのだけど、新しい鉄砲を買うためにお金を貯めないといけないので、今月は稼ぎ月。

さらに、それに平行して午前中は鞣しに充てるので余計に大変だ。時間の使い方が凄く重要になる。
そっちの予定では、

夜明け(約5時半)起床
コロと散歩(動物の痕跡の観察)
メダカの世話
射撃の練習
縄跳び
自転車こぎ(朝刊と本読みながら)
筋トレ
朝食
裏庭散策(動物の痕跡探し)
射撃の練習
本読み(歯磨きながら)
射撃の練習
鞣し(小休憩時に射撃の練習、大休憩にメール返信の文書作り)
射撃の練習
昼食
射撃の練習
ビーズ系仕事(小休憩に射撃の練習、大休憩にブログ等ネット系や本読みと射撃の練習)
夕方のお茶
仕事の続き
コロと散歩(山の形の記憶)
射撃の練習
夕食
射撃の練習
仕事の続き
本読み(歯磨きながら)
就寝(日付が変わった辺り)・・・

という切迫感があるんだか無いんだか分からない生活だけど、まあともかくどこかでダラっと気さえ抜かなければキッチリこなせていけるだろう。


世話になっている朝来の猟師さんから朝電話があって、軽自動車のジムニ要らないかという。
「あんた、猟車探しとったやろ」
車体はぼろいがエンジンは絶好調だということ。
先日、但東町の車屋さんがお客さんとして来られた時に聞くと、ジムニはどれだけボロボロでも数10万はする程人気と聞いていたので怖々値段を聞くと、仲間価格で2〜3万にさせるという。車検12月まで。タイヤはスタッドレス。
「是非お願いします」
積み込みを考えると軽トラックなのだが、今年からは「山泊まりも辞さない、じっくりと単独猟」だし、解体は全て獲ったその場で終わらせる事に決めている。だから林道(例え行ける場所でも奥までは入らないが)に入れてガタガタ道でも文句無い車が理想だった。
ということで猟車も確保出来そうだ。


昨夜も鹿が庭に来てオオバを食べていった。現場をおさえたが、まあ見事に茎だけにしてしまっている。写真の左側の茎だけのみすぼらしい植物が食べられた大葉。
e0114922_16342054.jpg

右に写っているのがキッチンの窓枠で、撮ったレンズは愛用の35mm/2.0だから距離の近いのは分かってもらえると思う。
e0114922_16355160.jpg

今日は基本休みだったが、なめしだけはやった。
e0114922_16361090.jpg

[PR]
by oglala-beads | 2010-08-31 16:37

beautiful dreamer

peyote bangle Mの現時点での最高傑作を仕上げて、peyote柄の休眠期間に入った。
本日の作業日誌「Whol分商品発送」に掲載したが、このbeautiful dreamerは本当は僕のためのバングルだ。そのせいだろうか、これの芯に使った(最後に残っていた)ブラスにはhiloと刻印を入れていた。自分用のバングルを作るために、最後までおいていたストックの芯だった。

本当は、peyote柄は現在ノリに乗っていて、休眠するのが本当に勿体ない状態だ。だが休眠せよというメッセージを頂いた以上、これ以上の制作は出来ない。いったいいつ期間が明けるのかは分からないが、この休眠明けには、最近習得した新しいペヨーテのテクニックを使って、世界中がひっくり返る程驚くペヨーテを出してやろうと思っている。

OGLALAの進化は、この休眠明けに急加速する。beautiful dreamerを手元に残さなかったのは、自分を留めておかない為だ。



ついに山水も枯れた。鹿はさぞ難儀していると思う。最近は昼夜なく庭にやってきて何やらムシャムシャ食べている。
e0114922_20364676.jpg

e0114922_2037234.jpg

今朝起きたらオオバを一本丸裸にしていた。せっかくだから色々と実験させてもらっている。つまり、鹿は静止している人を人として認識するか、や、危険の有無の判断にどれぐらいの時間静止しているか、等。

ハンターなのだから、本当なら弾の入っていない鉄砲で狙って、練習すべきかもしれないのだが、撃つ気の無い相手に銃口を向ける気にはなれない。

その代わり、射撃の練習には新たな課題を沢山追加して、現在一日1000回以上は挙銃練習をしている。毎日毎日新たな課題が出て来るが、それでも徐々に覚醒し始めてきた。つまり、10回に一回程度、挙銃してスコープを覗いた時には、既に中心が90m先の3センチの標的、または15m先の1cmの標的にピッタリ合っていて、それが引き金を引き終わるまで全くブレる事が無い。この状態は力の入れ具合と抜き具合、身体の開き具合と、そして挙銃してゆく時にどこで(いつ)スコープに視線を移すかによって決まる事が段々と分かってきた。構えが自然に昔のライフル射撃の形になってきた。



beautiful dreamerを仕上げた後(今朝)、まだ出荷商品が残っているのに大熱が出て、あとの制作は難儀した。
出荷前になって大嵐が来た。ところが、出荷の為に家を出ると、雲が割れて光がずっと車を包んでいた。
[PR]
by oglala-beads | 2010-08-30 21:01

双眼鏡

funny ikspiari店用商品を出荷しました。発送商品に関しては本日の作業日誌をご覧下さい。

同じ但東町でも毎日豪雨の村もあるのに、うちの村には雨が降らない。もはや雨乞いのレベルだという話も出ている。
そんな状態なので、沢水もチョロチョロになって、動物達も大変だろう。ここ最近、鹿も熊もうちの谷筋によく居る。
e0114922_1714541.jpg


双眼鏡がアメリカから届く。一応スワロフスキーからペンタックスのタンクロー、ホームセンターの叩き売りまで覗いて機能と値段と明るさと分解能とアイレリーフを天秤にかけたが、最後は日本未発売のスペックのニコンを、口コミとデータを信用して購入した。
防水、耐衝撃、10x25の小型軽量ということだが、Ecobinsという何だか嫌な名前。しかし期待通りx25とは思えないぐらい明るくて大満足だった。視力でいうところの乱視気味なのか、中心に杉の葉ぐらい細かいものが来た時に極端に分解能が低くなるのが「?」なのだが、僕の用途には充分。
もちろん猟用なのだけど、今は毎朝集落の鹿よけネットを見回りたかったので、一刻も早く来て欲しくて、一日千秋の思いだった。
僕が一番に見つける事で、一匹でも子鹿を助けれたら・・・という考えと、それが間引きになっているんだから積極的に殺すべき・・・という考えの間で揺れている。
[PR]
by oglala-beads | 2010-08-25 17:34

後継者が欲しい

アメリカの友人からリクエストをもらって、日本の鞣しについてのレポートを書きながら、昔の本ブログを繰っていて、白なめしのビデオを英語に翻訳したものが出て来た。
その友人に送った訳を友人がアメリカの原始テクニック研究会のページにアップしたものだが、まあこんな面倒くさい作業をよくもやったものだと思う。そこには利益は皆で共有するものという僕の本質があらわれている。

アメリカでも日本でも、脳漿鞣し(ブレインタン)の歴史は一旦途切れ、それをアメリカの第一世代が復活させ、第二世代が振興し、それを第三世代が更に発展させた。僕はその第三世代にあたり、日本でのブレインタンの復活に大きな足跡を残したと自負している。それは日本古来の伝統とは全く異なる技法である。あくまでアメリカの技法であり、古来インディアン達の技法の継承であった。それを日本の風土、そして何よりニホンジカという亜種でテクニックを確立し、誰にも真似の出来ない鹿革を作り上げた。
僕のブログを参考にして、第四世代が日本で鞣しに挑戦しているが、出来上がっている鹿革は取るに足りないものばかりだ。プっと、笑いと同時に屁が出てしまう。それは第一、第二、第三世代の革を実際に手にとる事の無い、謙虚さの欠如から来ている。せっかく興味をもっているのに勿体ない事だ。もっと謙虚さと根性を持ってれば、俺だって協力するのになと思う。

僕が確立したこのテクニック。これを僕だけで終わらせるのはもったいないなと思う。引き継ぐ場所を誰よりも求めているのは僕自身だ。でも先に言った様な謙虚さと根性を持ち合わせている後継者が居ない。

我こそはってヤツ。名乗りを上げてみろよ。陰でこそこそやってるナメクジ人生より、面白いと思うぜ。お前は俺に劣る。まずはそれを100%認めてみろ。最初に俺に勝てると思うから、仕上げることすら出来ないんだよ。全敗を認める事が出来るなら、俺は協力を惜しまんよ。
[PR]
by oglala-beads | 2010-08-23 19:32

「こら、加藤」と熊に説教する。

暑さを云々言いたくないのだけど、力仕事をしていると感覚的なところではなく「ああ、危ないな」という状態に入ってしまう。明日は村の日役でソバの種まきだけど、大丈夫だろうか。

革が無くて、だましだまし残り少ないのを細々使ってきたが、ついに来月のオーダーに対応出来なくなってしまった。
一枚dressingまで終わっていた皮があったので、一昨日の晩に冷凍庫から出して昨日wringingをした。結構色々なところに柱があるので楽だ。なめしを始めた頃は、wringingは単に余分な脂を絞り出すことだろうとおもっていたのだけど、結構重要なステップなので、おもいっきり絞れるための柱や木が必要不可欠だ。
匂いを出したくなかったのでwringingを終えた皮を3時間程冷凍庫に入れて、夜に冷凍庫から出す。
朝から、新しく作ったstakerを使ってsofteningを開始。途中思いついて、納屋の柱にwireをかけ、wired softeningをやってみる。今まではwireをかけることが出来る柱が無く、テンションや角度の調整が出来なかったので使えないテクニックだったが、割合ピンと張る事で今後は使えるテクニックになった。
新しいstakerは、日本の昔の鞣しの職人が使っていたものを参考にして、ちょうど股間辺りにポイントが来る様に作ったのだが、ちょっと低かったか。前のものの様にミゾオチ辺りが良かったかもしれない。
そのstakerの高さのせいも多分にはあったのだろうけど、何か妙に力が入らなくて最後まで出来なかった。もともと体調が良くないのもあったのだけど、暑さでばててしまったのもタブンにあると思う。
換気扇も兼ねて、大型扇風機をつけて工房でやったのだが、やはり乾きが早かった。ただどうも表面だけ乾いていく様な印象もあった。その功罪はまだ何とも言えない。ただ毛皮の時には良いだろう。
ともかくこの一枚を仕上げたら、師匠から預かっている毛皮と、自分のストックしている毛皮にかからなくては。9月中に毛皮を全て仕上げられたら有難い。
で、革の方はまだ鞣してないのが13枚はあるので、ちょっとどうしようか。今期は最悪一頭も獲れなかったとしても良い状態だ。むしろ獲らない方がよいかも。


熊は賢くなっている・・・というよりは、僕という存在を大分気にかけてくれる様になったらしい。朝起きると家の庭の柿に登った跡があったのだが、来ていたとは全く気付かなかった。理由を探りに行ってみると、

1、木の下にほとんど葉と枝と実を落としていない。
2、去年の熊棚の上に積み重ねる様に新しい枝を重ねていた。
3、音がしない様に、太い枝を折らず、細いものでも慎重に裏噛みした後で、音が出ない様に折っていた。
4、爪痕が残らない様に細心の注意を払って登っている。

なんてやつだ。跡を僕が毎回慎重に探っている事を気付いているのだろう。案外熊なんてズボラなもんで足跡も残すし無警戒に音も出すと思っていただけに、これが警戒すべき人間が居る時の熊なんだと分かって、素直に凄さを認めた。同時に、僕が来た事で熊と人とのこの村での関係が崩れて悪い方に傾かないか心配になった。でも今のところ、人を警戒するという緊張感を持たせるのは良い事だろうと思うのだが。仮に事故が起きてしまうと、可哀想な結果になるのは熊の方だから。

念のため、もう一本の川向こうの柿を見に行く。かなり大きな熊棚が出来ていた。10mほどの距離で大きな目で木を観察していると(早朝)、薮の中から「ファウッ!ファウッ!」という威嚇が聞こえて来た。どういう訳かまったく怖さを感じず、無防備に立ったまま「おいおい、それはちょっと筋違いじゃないのか?」とコンコンと説教を始めて、しばらくしたら気配が無くなったので家に帰った。僕に限っては、隠れるよりも威嚇することを選んだのかもしれない。熊のため、襲われない様、注意しよう。
[PR]
by oglala-beads | 2010-08-21 20:15

ありがとう

引越後の商品の色が変わった事は、決して自分だけではなく、ブログの写真で見た方にも伝わっている様子だ。直接のお客さんの声まではなかなか伝わってこないものの、売れ方、追加オーダーの入り方で分かる。また、納品した店からの「本当に驚いた」という声にニンマリする。写真ではなかなか伝わらないので、実際に手にとると「本当に驚いて」もらえると思っていたから。

また、僕の苦手な細工でアシスタントが得意そうな商品を、早いうちから制作担当を振り分けておいた功がハッキリと表れてきた。それは見た目でもそうなのだけど、やはり売れ行きに非常にハッキリとあらわれた。
最初、商品の一部をアシスタントに任せるという事に関しては慎重論もあったし、「岡居さんのでないと駄目だ」という声があったことも事実だ。でも僕は僕の判断を信じていたし、実際に現在、アシスタントが仕上げて来た商品の一つ一つを手にとって、言葉にならない唸り声を上げてしまう。僕が作ったのでは到達出来なかった状態、想定以上のものに仕上がっている。この商品にこれほどの魅力があったとは・・・と、僕自身がハっとさせられる様になった。そしてそれが如実に追加オーダーの数字にあらわれている。アシスタントに僕の代わりは出来ない。でももう既に僕にもアシスタントの代わりは出来ない。今やアシスタントは僕以上に忙しいかもしれない。

OGLALAから直接買いたい、というお客さんも増えてきた。これは自分自身の栄養として、是非必要だったことだ。まだまだ門戸は広くないけど、着実に増えて来ている。これが財産となる日も遠くは無いだろう。

望んだ事は、僕にとっては大きかったけれど、世間的には小さい事だったかもしれない。それは環境によって今まで打ち破れなかった殻を破りたかった事でもあったし、本来はもっと輝いているはずの、一つ一つの商品達のポテンシャルを引き出してやりたかった事でもある。結局はそのためだけに鞣しを始めたし、猟も始めた。家も引っ越した。老陶芸家が「土の中から”出してくれ〜出してくれ〜”と言っているのが分かるのに、自分の技術と心がそれを可能にしない」と男泣きする気持ちがとてもよく分かる気がする(本当のところは彼にしか分からないだろう)。
また、OGLALAを愛して信じてくれる人達に恥をかかせない様なメディアへの出方。それも大切だった。それはまだ叶ってはいないし、おそらく今のメディアの体質ではあと10年かかるかもしれない。
でも、自分がコツコツ積み上げた事が一つずつ形になっているのを、売り上げを通して見る事が出来るのは、本当に幸せだ。
愛と誠を求めて生きて来た41年が結実しつつある今が、僕の人生の中で一番幸せな時かもしれないとさえ思う。

もともと、そんなに貯金があった訳でも、貯金出来る様な稼ぎ方をしている訳でも無い。だから今回の引越によって、貯金は全て使い果たしてしまった。それでも借金せずに暮らせているし、必要なものも買うことが出来るし、急な出費にも対応出来ている。今のペースを守っていけば年末には居留地へ寄付するお金も出来て来るだろう。

自分自身に嫌気がさす日なんて、日替わりでやってくる。その分、自分自身に寄り添って、今日みたいに美味しくビールが呑める日があっても良いかもしれない。
SIONも言ってるじゃないか。「たまには自分を褒めてやろう」と。

昨日、数年ぶりのラコタの友人からのメールが入った。家族を失い、仕事を失い、メールも電話も失ってボロボロになっていた友人。もはや生きて会話を交わせる事は無いだろうと思っていた。そこから立ち直って、電話を復活し、メールアドレスを再び得て、最初にした事は、僕への連絡だったらしい。
[PR]
by oglala-beads | 2010-08-20 21:46

徒然に・・・

結構柿は残っているのだが、あれ以来熊は僕の界隈を避ける様になった。
現在は一つ下のグループの柿の木に登っている。
集落内の柿の木を全部見て回って、面白い事に気付いた。それは出やすい場所、身を隠せる場所等に関係無く、ともかく民家がすぐ近くにある場所の柿の木を選んで登っているということ。なんでわざわざそんなことをするのだろう。集落の外れ辺りの無防備な柿の木はまったく無事。


昼とか、変な時間に鹿が鳴くと、ろくなことがない。大概、ちょっとして「鹿がネットにかかっとるんだわ」とお呼びがかかる。


税関を通るまでに色々あった、スコープ付きのライフルが2本入るケースが昨日届いた。そのまま真っ直ぐ寝かせたままではレガシーのラゲッジスペースに入らなさそうな位に大きいし、1本銃を入れただけで既に相当重い。


今まで僕は動物の習性を予測することに関しては熱心だったけど、捕まえる道具である銃に関しては全く興味がなかったので不勉強だった。でもスコープを付けた事で段々銃を扱う事にも喜びを見いだせる様になってきて、射撃競技なんかにも出てみたくなってきた。クレー射撃は向いてないと思うのだけど、固定標的は楽しい。
気付かせてくれたのは、目下申請中の新しい銃、MSS-20かもしれない。それで猟をすることは、なんだか自分自身、そのものの様な気がする。分身の様な愛機になりそうな予感がする。この銃のマイナス点なら、すべて僕が引き受けてやれそうな気がする。
それで遅ればせながら、鉄砲に関して勉強することにした。とりあえずjeff cooperのThe Art of the Rifleを取り寄せることにした。
射撃に関して、師匠以外の人の言う事は信じない。でも体格差等の個人差はあると思うので、自分なりに色々と試してみたい。でもどうせアドバイスをもらうなら、世界的な超一流からの方が良い。

図書館が近くにあるお陰で、随分と色々な本を読める様になった。今はわざわざ取り寄せて頂いた「羆撃ち」(久保俊治)を読んでいるが、これも当たりだった。
僕には有難い事にハイレベルな世界で猟をしている師匠が居て、その背中を追う事が出来る。周りのハンターに「んなこと小説の中の世界の話で、出来る訳ないだろう」と、どれだけ笑われようと、現にそれをやっている師匠がいるから、キチンとした目標を持つ事が出来ているし(反面、自分達のやり方以外を認めない年寄りには嫌われているかもしれない)、そのための努力は厭わないけど、そういう師匠が居なくて”自分なりの猟の仕方”に迷っている人には一読を勧める。”鉄砲好き”には勧めない。
特に、年寄り達の中にあって、夢も希望も見いだせないで、猟に絶望しかけている、元々鉄砲が好きな訳では無かった人、に勧める。
僕は本当に駆け出しであって、何一つまだ満足には出来ないから生意気なんだけど、誰に何と言われても、半矢にしてしまいそうな相手に、安易に引き金を引かなかった自分を、やっと「間違ってなかった」と思わせてくれた本だ。ちゃんと購入させて頂いて、何度も読み返そうと思う。


鳥獣害防止対策研修会の二回目に参加してきた。僕がほとんど知らなかった電気柵のシステムが理解出来、非常に有意義だった。出来る限り、不要な駆除を減らして防除にするため、自分に何が出来るか分からないけど、精一杯勉強しよう。
[PR]
by oglala-beads | 2010-08-18 19:23

小熊と会う

New dealへ商品出荷です。詳細は本日の作業日誌をご覧下さい。

月の無い夜から数日。あれから熊が来ている気配や跡は無い。商品を出荷しに行っての帰り、なんとなく薄曇りの霧が出ている峠を越えながら、「今日は動きそうだな」と思った。
案の定、夜8時頃、双眼鏡を買おうと思って工房で色々と調べていると、コロが一生懸命母屋の方で鳴いている。すると配偶者が母屋からやってきて、「鹿、今なら間近で見れるよ」と言う。
すぐに母屋からのぞくと、子鹿が一頭、10m程の距離で、恐れる様子も無く草を食べている。
e0114922_15561886.jpg

でもなんだか右手側に切迫した気配を感じて、配偶者から懐中電灯をひったくって照らすと、家の庭の柿の木に熊が登っていた。距離5mほど。カメラを向けようと一瞬ファインダーに視線が移った瞬間、木からズリ落ちて山へ逃げて行った。
時まさにお盆で、各家庭皆帰省客が居る。隣は特に人が集っていた。すぐに配偶者に電話させ、熊が出ているのでお客さんが帰る時には気をつける様に、不安な様であれば護衛に行く旨伝えさせる。その間に熊の消えた方向を探りながら、師匠のタツさんに電話して熊の行動を読んでもらう。今晩何回でも来るだろうとの事なので、ハロゲン等用意を整え、すぐに熊を追える準備をして待つ。
数時間程して枝を折る音。コロと僕が同時に目を見合わせる。音の方向からして、家のシモ方向の畦にある3本の柿だ。家からは50m程の距離だ。
ハロゲンを向けると、案の上登っていた。ワッサカワッサカと枝を寄せてはバキっと折っている。
追い払いの声を出しても、まったく動じずに食べるのに夢中だ。
車を出してすぐそばに寄せてライトで照らすが、それでも動じない。
さっき庭に居た熊と同じ個体であれば、それほど大きくはないので、師匠が言うには「親離れしたばかりのヤツじゃない?人と同じで一番厄介な時期だよね」。一応警戒のため、親を探しながら近所に熊が出ている事を知らせて回る。

家に戻ってもまだ熊は食事中だったが、もう放っておくことにして、双眼鏡選びの続きをする。
12時をすぎて、さあ、そろそろ寝ようかなと母屋にひきあげようとした時、小熊の甘えた様な鳴き声が聞こえる。またコロと同時に顔を見合わせる。
覗いてみたが、声のした方向に姿は見えなかった。
「この環境、これこそを求めていたんだよなあ」との幸福感と、出荷が終わった心地よい疲労感に包まれて就寝。

明けて朝の散歩に出る。前回出た木の下に、僅かだが跡の様なものがあった。薮を背負っていて怖いので、昼を過ぎてから見に行く事にしよう。
アメリカからの荷物で起床。注文していた鉄砲のソフトケースと猟用のズボンが届く。スコープ付きの銃が2丁入るハードケースも注文していたが、別梱包の様だ。

昼過ぎに庭の柿の木を見にいく。
登った直後にコロに気付かれた様で、枝は折っていたが食べるまではいっていなかった。
見た感じ小さな熊だったが、爪痕で見る限りは立派な成獣だった。
e0114922_16441992.jpg

そのまま畦に入って、田向こうの柿を見に行く。極めて小さな木だが、絶妙に登りやすい角度だ。
e0114922_16461780.jpg

僕を無視して喰っていただけのことはあって、なかなか残さず果実を落としていた。
e0114922_16471829.jpg

それにしても前のでも思ったのだが、せっかくむしっている割には一口噛んだだけで捨てているのがほとんどだ。その事を疑問に思って師匠に聞くと、「マズくて本当は食べたくないんでしょう。よほど山に食いもんないんでしょうね」との事だった。なるほどなあ・・・と納得する。
この木には、さすがに小さいものの、熊棚が出来ていた。
e0114922_16532636.jpg

e0114922_1654455.jpg
e0114922_16544642.jpg

その隣の木は、さらに激しく食べられていた。
e0114922_16562421.jpg

泰然自若と食べている様に思ったが、内情は結構焦っていたらしい。
e0114922_16584593.jpg

その隣の柿のみ、少し大きいせいか、トタン板を幹に巻いてある。滑って登れない様にするためだ。
e0114922_1723291.jpg

でも師匠が言うのは、トタンを針金で巻くと、それを足場にして登るとの事だった。この柿は針金トタンな上に、斜面側はトタンを巻ききっていなかった。それを見逃す熊ではないだろう。
e0114922_174489.jpg

不思議なことに、結構探したにもかかわらず、フンを発見出来なかった。柿以外に何を食べているか調べたかったのだが。

界隈の田んぼを見て回る。その界隈で昨夜小熊の声が聞こえたからだ。結構入られている跡がある。
e0114922_1771752.jpg

朝の散歩の際に気になっていた、前に登られた方のうちの柿を見に行く。新しい跡がある様に見えたが、鳥の仕業だった様だ。跡は真新しいものではない。そして他のものよりも爪の太さ等が太い様に見える。
e0114922_17111147.jpg

この木のある場所がちょっと怖いところで、コワゴワながらの観察だったのだが、少し登った辺りに気になる跡があるので、ちょっと登って足を幹にからめて閉めて、両手を離して写真を撮っていると(上の写真)、下の2m程右手、薮の少し手前の開けた斜面で何かが飛び上がる様に見えた。大きなタヌキ程のサイズだが、真っ黒。よく知っている、光沢あるくせに光を吸い込むあの黒の毛。
「こ、小熊!」
あまりに驚いたのだろう。まあ面白いもので、人はあまりに驚くと、あんなに簡単に木から落ちて後ろにこけるのだとよく分かった。じっとしてそうだったので、カーハートのダブルフロントの右の道具ポケットからカウンターアソルトを引き抜きながら立ち上がろうと、一瞬目を離した次の瞬間には居なくなっていた。居たはずの地面には滑った様な跡があったが、見に行く勇気は無かった。しばらくゆっくりと木のまわりを小さく歩いて回る。親が出て来る気配が無いので、その場を離れた。
またまた師匠に電話をする。
「ヒロさん、研究熱心だけど、あまり無茶しないでね。子が居たんなら危ないよ」
「ですよね。でも昼から居るもんですかね?」
「もうそこでしばらく食べるって決めているし、薮があるんなら山に帰る必要ないですよね」
「なるほど」
「たんぼの中で昼間寝てるやつもいますよ」
「・・・あれ、やっぱり熊の子ですかね?確かに音も聞いたし何かが飛ぶのも見えたんですが、一瞬目を離した時には音は聞こえませんでしたが・・・小熊にもそんな芸当出来るんですか?」
「最初飛んだなら、やっぱり熊ですよ(笑)。それに子供であっても音はしませんよ・・・なんにしても注意して下さいね。多分ヒロさんとこの柿が、”今年喰うことになっていた順番”みたいだから。喰い尽くすまでは毎日来ますよ」

数日前、村のおばあちゃんと話をしていて、「今年は柿、呼ばれる事が出来なさそうだで。熊がみいんな、食べんさる」と言っているのを聞いて『いい村だなあ』と笑っていたのだけど、どうも本当になりそうだ。人と熊がお互いの距離をよく分かっているみたいなので、下手に騒ぐのも気が引ける。
師匠とも言っていたのだけど、多分、僕だから見つけてしまうのだろうと思う。今までこの村では興味をもって見ていた人が居なかったのだろう。だからドングリが不作な年には、こんな風にして来るのが普通なのであって、誰も気にも留めていないのだろう。それを行政に通告することで駆除なんてことにはしたくない。でも事故があると非常に困る訳で、なかなか対応が悩ましい。このおばあさん含め、熊への対応の仕方をみなさん熟知している様だから下手に心配する事も無いか・・・

それにしても、最後の木を見た時、僕は熊鈴も着けていたし、近づく時に手を何度か叩いて、今から人間が近くに寄ることを示していた。まあその効果あってギリギリまで潜んでいてくれたのだとは思うのだけど、この事から、どんなに用心していても、熊の目と鼻の先を通る事は普通にあり得るんだなと思った。あとは熊の判断に任せるしかない訳だ。
それがいつもの、人との距離を分かっている熊なら良いが、ちょっと性質の荒いのとか、ケガしているのとかだったら・・・・・
[PR]
by oglala-beads | 2010-08-15 17:35

8月中旬、月の無い夜。

雨台風が接近しているということで、10、11の帰省予定を11、12に変更した。12日辺りが一番雨がひどそうなので、当日は安全な神戸で過ごそうというハラであある。お盆のラッシュを出来るだけ避けるために日程を考えていたのだが、気象と道路の両事情を考えると現代では気象を取るべきだろう。


昨夜。計算すると、ほとんど月明かりが無いはずだったので、今日は動物が動くんじゃないかな、と考えた。立秋を過ぎて、先に書いた様な気候の変化があったので、何か新しい動きがあるのではと、ひそかに期待を込めて。
すると居間から夜の庭を嗅いでいたコロが猛然と吠え始めた。吠えては配偶者を見ているので「ああ、何かいるな」とハロゲンライトとハロゲン懐中電灯で庭を見る。すると配偶者が、「鹿、鹿!ほら、あんな近く!」と興奮している。本当にすぐそばに居た様だ。

寝る準備を終えて、工房で射撃の練習をしていると、前の山でトタンをめくったか踏んだかした様な音がした。ハロゲン懐中電灯で注意深く見回すが何も居ない。あきらめかけた時、うちの柿の木の樹上で目が二つ光った。家からは60mほどあるので150wのハロゲンのハイビーム電球でもおぼろげにしか見えない。追い払いを兼ねて車で近づこうかと思ったが、子供を二人連れている熊なので色々な意味で放っておくことにした。
e0114922_13114117.jpg

それでもハロゲンを当て続けて、時折写真撮影しながら30分程観察した。豪快な音をさせながら枝を折り、ワッサカワッサカ木を揺すっている。話には聞いていたが、よくまああんな細い枝に登れるものだ。大きさを測る対象物が色々あったのだが、身体を伸ばしているときの大きさは、身長で言うと僕位ありそうだ。
それにしても、熊が食べていた柿は、もちろんまだ青くて小さい。翌朝、注意を呼びかけるついでに隣のおじいさんにその話をしたら、「ああ、もうあいつら、硬いだの渋いだの関係ありゃあせん」と言われた。熊が柿に来るのはまだまだ先だと思っていただけに驚いた。
e0114922_1317749.jpg

樹上に出来ていた小さな熊棚
e0114922_13225760.jpg

子連れというところからしても、先日下見をしに来ていた親子熊だろう。
解せないのが、今日跡を取りに行ったら、川伝いに集落を縦断して山に帰って行った・・・(?・・・熊が入って行った山裾の廃屋の中から、何かを倒す様な音がしきりと聞こえていた。もしや・・・・)
e0114922_13254263.jpg

・・・らしいのだが、その際に完全に跡を残さず帰る事の出来るルートがあるにも関わらず、わざわざ途中で田んぼを通り、
e0114922_13282198.jpg

稲をかきわけ、
e0114922_13301867.jpg

トタンの際を注意深く歩きながら、切れ目を探して逡巡した後、
e0114922_13321420.jpg

道路に泥足を残して山に帰っていること。
e0114922_13381319.jpg

そうかと思えばその泥足が妙に小股なので、多分子供に自分の足跡の上を踏ませているのだと思う。なんとなく滲んだ様に膨張した足跡が多かったので間違い無いと思う。
e0114922_13404891.jpg

慎重なのかなんなのか、それとも計算してやっているのか。


こういう時って行政に通報した方が良いのかどうなのか、ちょっと悩んでしまう。被害に直結してしまう様な地域性というか熊の性格の場所であれば僕も即通報するのだけど、ここでは熊が出るのは当たり前で、ある程度の被害を許容出来る懐の深さがある。故に人と熊との関係に余裕があって、昔ながらの関係、といった感じなのだ。通報したことで下手に行政が介入して獲らなくても良い熊を獲ったりして次に来た熊がそれこそ何度も奥山放獣を繰り返されてる個体だったり、問題グマだったりした日には一気に均衡が崩れる。
また通報したところで、どうせ兵庫県森林動物研究センターの熊出没情報は1週間遅れで全く役に立たないし、地域振興課が防災無線で流す情報は「但東全域で熊がよく目撃されています。注意しましょう」ばっかり。それで隣近所に「親子連れの熊が出ましたよ」と注意を喚起するだけにすることにした。皆、子連れと聞いて、「ああ、そりゃあ注意せんといかんな」と表情を引き締めていた。まあ、こんなところがベストの対応の様に思うのだが。

それにしても、下見をしておいて、わざわざ月の無い日を選んで来るなんて、本当にこの峠の村では人と野生動物との関係が上手くいっていることを再認識した。都会のハンターの僕が入る事で、下手に騒ぎ立てて、それを乱す事の無い様、充分用心しよう。
[PR]
by oglala-beads | 2010-08-10 13:41

お坊さんあれこれ

明日から2日間お盆の帰省。ついでに須磨の射場でスコープ調整がしたいのだけど、お盆期間中に殺生の道具を扱うとのいうのもどんなものか、悩ましい。混んでるだろうし。

うちの菩提寺の住職さんは、真言宗の中でもかなり有名な研究者で、密教の世界にこの人ありと知られた人だ。まあこの方がお盆のお参りに来られる事は無く、息子さんやお弟子さん、はたまた生徒さんやアルバイトなどが来て下さる。僕はそのお弟子さんの一人と仲が良いので、明後日のお参りも、その人、鳥取さんが来てくれたら嬉しいねと配偶者と話している。
息子さんは、さすがにボンボンのサラブレットなんだけど、僕みたいな人生を歩んでいる者にとっては、有り難みは薄い。前回に参って頂いた方は随分とお年の方だったのだけど、脱サラだったか定年後だったかに仏門に入られたそうで、こういう方も、申し訳無いのだけど、マイウェイを唄い出しそうで、あまり有り難みは無い。イメージとしては、クラウンとかプリウス、又は新車のダイハツの軽でお参りといった感じか。

お坊さん、特に真言宗のお坊さん界とか懐具合とかに詳しい方ならご存知の通り、鳥取さんみたいに継ぐ寺があるわけでもないお弟子さんは色々と苦労が絶えない訳で、この方の説話や説教には、気難しい僕を完璧に納得させる深みがある。なんというか、話に真実がこもっている。実体験に浸るでもなく、青臭い学者知識で語るでも無く、核心を突いて来る。昔は鳥取さんもシャクシジョウギなところがあって、付き合いやすいんだか付き合いにくいんだか分からなかって、読むお経もやっぱりそういう印象だった。それがここ数年で色々な事を自身で体験された様子なのが、読むお経からもの凄く伝わって来る。
彼が詠み始めると、体中の力が抜けていき、暑さ寒さはおろか、日々の毒や悩みが霧散し、目の前はおぼろな、夕方の様な光に取り巻かれる。それはコロも同じだし、猫も大人しくなって寝入ってしまう。
生きとし生けるものの業、それから開放してくれる様だ。
ハンターになり始め(今もまだ二年目の初心者だけど)の頃、殺す辛さと周りからの批判の谷間で不安定になっている際に、ニコニコ笑いながら細い細い糸を掴んで地面に引っぱり降ろしてくれたのも彼だ。

僕の葬式は簡素なものでと遺言しているけど、唯一、お坊さんは鳥取さんで、と家族には伝えている。配偶者も「絶対、鳥取さん!」と言っている。

ということで、鳥取さん。僕より6歳上だけど、長生きして下さいね。
[PR]
by oglala-beads | 2010-08-09 12:17