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そっくり

本日もモカシン奮闘中。
送られて来るモカシンの、土台の形や各パーツの色の組み合わせは毎回違う。時々、”いついつのものと同じで”というモノもあって、そういう時はホっとする。
今日のモカシンは土台の主張が強い。添付された指示書にはデザインの指示と「色はお任せ。明るめ」とある。
クイズを解く様なものだ。毎回あまりに大変なので、これから”色目のお任せ”に関しては多少のデザイン代を載せる積もりだが、こういうクイズへの挑戦も楽しみな事は確かだ。
ただ、モカシンが沢山あると、その制作にあたっている期間の収入は激減する。それだけ一足一足、大変なのである。
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先日泊まった宿ではペットの写真館もやっている。請われてコロがモデルになった。
僕らもそばにいたのだけど、出来上がった写真のコロは、やはりいつも僕らを見ている目とは違っていて面白い。そして、それ以上に、こんなにも犬って家族に似るのか・・・とカメラマンも含めて皆で笑ってしまった。
「あれ?コロ、俺みたいなヒゲあるね」
「え?あ!ほんまや(笑)」
「いやあ、僕も出来た写真見て気付いたんですが・・・(笑)」
頑固そうな口元。
神経質そうな目。
愛想よさげに見えて生半可に他人に心を開かなさそうな顔の歪み。
”自分が映る鏡”を見ているみたいだ。
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by oglala-beads | 2010-01-27 16:19

モカシンこわい

机の横に積み上げられたfunnyさんのモカシンの山を見ては溜め息をつく昨日今日。頑張ってエッチラオッチラ制作しております。お待ちの方、もう少しでお届け出来るかと思いますので、もうしばらくお待ち下さい。

funnyさんに限らず、コラボレーションは難しい。先方が仕上げる場合、相手の仕上げの技量を正しく見積もらないと、どうしようも無いものになってしまう。有名な職人さんだからといって、コラボレーションの仕上げの技術が高いとは限らず、むしろ擦り合わせが上手くいかず困る事もある。相手のそういった所を見切った上で作業にかからなければならないので本当、難しい。

funnyさんのモカシンは、モノによって、模様によって、完成形で送ってもらい、柄の入る位置を確認してからバラバラにして作業をする事がある。それをfunnyさんの工場に送り、もう一度組み立ててもらう。
ある程度のノウハウが蓄積したものに関しては、最初からパーツの状態で送ってもらっていた。それで今までトラブルも無く来ていた。

今回、以前にこのブログでも紹介した新色のモカシンの甲にスワローテールのモカシンをやる際、甲に使われているダーク・ブラウンのベロアが、柔らかい上に案外芯がシッカリとしているので、あ、これなら切らないで出来るかもしれん、と思った。

甲の素材が例えばグローブ等、固い革の場合は問題外として、ベロア等柔らかい革でも染色具合や個体差、部位による差で、パラさないで出来るモノと出来ないモノとがある。ただ、ビーズは壊れ物なので絶対に壊れないというのは不可能なのだけど、出来る限りをやる、という観点に於いて、より針が深く潜行する様に通常はバラして作業をしている。
今回の革はバラしてもバラさなくても同じに仕上げられそうだったし、うちのアシスタントがオーダーしていた分が入っていたので、それを実験台(バラした場合に比べて、どれぐらい余分な時間がかかるかの)として組み上がったままで作業をした。

その際の作業ノウハウは、勿論今までバラして制作していた時のものを使った。
そうして仕上がったモノを見ると、なんだか絶妙に歪んでいる。そこで一旦全部ビーズを外して計算しなおしてみた。その上でもう一度制作したが、今度はモカシン全体で見た折りの傾きがどうも妙だ。仕方ないのでもう一度ビーズを外して勘で修正しビーズを縫い付ける。それを二回やって(つまり計4回やって)ようやく良い具合になったが、今までのノウハウとは全く違う角度と位置になって頭を抱え込んでしまった。

さっそくimp店の魔王に電話で問い合わせてみる。今までもしかして柄が歪んでいたのでは無かったのか・・・。
だが幸いに「いや、大丈夫でしたよ」との返事。

というのも、モカシンという商品の都合上、最後にパーキーをやる人によって、形が大きく変わる事すらあるらしい。ビーズが入っている時はそれ基準でセンター出しをしているみたいだ。

なるほど、そういう事もあるのかと納得したのだが、逆に言うと、完璧に計算してからパラしてビーズを縫い付けて工場に送ったものでも、最初にパーキーをやった人と違う人が最後のパーキーをやった場合、位置が変わる事も有り得るという事だろう。

幸い今までのパーキーの職人さん達の美的感覚によって問題なく組み上げられていた様だが・・・

インディアンビーズにしても、モカシンにしても、答えが一つでは無いので懐が深い分、お互いが見えない闇の中で手を繋ごうとしている危うさがコラボレーションにはある。

いつも工場に顔を出した時は、企画やデザインの担当と話をしていたが、今後はパーキーの超熟練工である、内職のオバチャン達とジックリ話をする時間を作った方が良いのかもしれない。
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by oglala-beads | 2010-01-25 16:13

異常な光景

前に猟隊の後輩と話をしていて、「ながし猟」の話になった。居そうな林道等を車で流して、発見出来た個体を獲る猟なのだが(基本的に林道であれ農道であれ、道の上で発砲すると違法なので、降りて多少追いかける事になる)、彼は「面白く無い」とのことだった。確かに、犬を使った駆け引きは、犬を育てるところから始めなければならないので、醍醐味のあるものなのだろう。

僕にとっては猟自体が材料を得る為の手段で楽しみとは無縁であったので、正直いうと出来るだけ楽な方が良い。なので流し猟も手段の一つだ。むしろ動物の行動を読まないと出来ない猟なので本来は難度が高いと思う。

その流し猟に、配偶者とコロを連れて行った。去年も連れて行ったが、結局跡は多かったものの野生の鹿を見せてあげることが出来なかったので、そのリベンジである。犬と泊まれる宿を見付けて、久々の家族旅行だ。
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流し猟は、寝る前に水を呑みに来た鹿を狙うので(他のやりかたもあるのかもしれないが)、夜明け後の1時間以内が勝負(夜間は発砲禁止)。そこで普通は情報を収集して、よく出ている場所に行くのだけど、僕の猟隊の猟場は今年は鹿が少ないので、これ以上獲りたく無い。なので情報は無くても、鹿の多い地域の地形図を検討して勝負をかけた。

一日目、バックシートで鼻提灯を出している配偶者とコロを起こす。車の窓を閉めていても鹿の匂いがプンプンしている。いかにも出そうだ・・・鹿の、ものすごい数の痕跡。昨夜のものだ。と、長靴を履いた子供の様な足跡が鹿の足跡と平行している。ツキノワグマの足跡だ。跡を追いながら状況を読むと・・・
子鹿が逃げている・・・・熊が追いかけている・・・子鹿が崖を飛び降りたところで・・・熊の爪が尻にかかって・・・そして5メートル程先にあったものが、これ。
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そのすぐ先にあったのが、これ。
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つまりはここはクマの猟場。縄張り。

本来肉食では無いツキノワグマの肉食化。耳にはしていたし、今年の兵庫のツキノワグマは、ものすごい数が居る上に行動が異常とは吉井さんにも聞いていたのだが・・・
その林道、そこから先はまさにクマの陣地。ちょっと車を降りるのすら怖くなるほど、ものすごい数の狩りの痕跡が延々と続いていた。砂防ダムに追い込んで襲うのが常套手段の様だった。
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今回は二日目がメインだった。旅館のそばに手頃な山があり、地形図上では、いかにも居そうな地形。
そこで立てていたスケジュールは、チェックイン後に一度車で山の周囲を回って鹿よけネットの位置を頭に入れる。次にコロと散歩ついでに歩いてめぼしい場所を歩き、予測した場所に痕跡があるかを確認。さらに夜の早い時間にサーチライトを使って鹿の眼を確認し、寝屋と予測した周辺で動いているか確認する。そして明け方近くに再びサーチライトで予測したどの通いから出て来ているかを確認。その上で入山して待ち伏せる・・・というもの。

まあ、地形図からの予測は当たっていた。笑ってしまう程に通いもパターン化していた。
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鹿よけネットもほとんどが意味の無い張り方。
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寝屋の位置も当たっている・・・のだが、地図には載っていないパターゴルフ場等の施設が近くて、実質禁猟区の様なものだった。残念!
ということで、第二、第三の候補地を見て回る。コロはバックシートで睡眠。配偶者は美人になる温泉に嬉々としてつかりに行った。
だが、どこに行っても、とんでもない量のクマの痕跡。痕跡からして比較的歩きやすい地形を選んで動いている動物の様に思うので殊更に目立つというのもあるのだろうけど・・・兵庫ではクマは撃てないので正直やはり肉食化したクマの縄張りには入りたく無い。その結論を出して、今回の猟はあきらめた。
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(分かりにくいけど、両方とも鹿と親子グマの足跡)
しかし!なんとしても配偶者には野生の鹿を見せてやりたい!
ということで、もしもの時(つまり今回の様な時のこと)の為に、昼間目星をつけておいた畑へ車で行ってみる。サーチライトで照らすと・・・畦近くに4匹。
「きゃあ〜!うれしい!見れた〜♪」
「あ、まだ他に2匹おるわ」
「あ、気付いて逃げ出したね!」
「・・・????え?これ、何匹おるん?うわあ!え!?あっちにもこっちにも!すんごい大群!」
こちらに気付いて農道を駆け、山に入り込むところを数えていたのだが・・・

「25、26、27、28・・・ああ!もうわからん!いったい何匹や!」

なにせもの凄い数の群れを見せてあげる事が出来て、本当よかった。


チェックアウトして穏やかな日差しの帰り道、有名な滝があるので見に行く。配偶者はカメラ片手に滝に近づいたりして喜んでいるが、クマの足跡やら匂いが凄くて僕もコロも落ち着かない。
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滝を離れて帰り道、道から100mほど離れた鹿よけネットに何か有機的なオブジェの様なものがぶらさがっている。
「あれ?鹿のスケルトン(頭骨)ちゃうかな?」
「ああ!多分そうよ、地元の人が言ってた。時々ネットに鹿が絡んでいるらしいけど、放ってるみたい。子供達からしても”見慣れた光景”らしいよ」
「ほんまか・・・・うちの猟隊の山ならすぐに殺して回収するんだがな・・・あんな白骨になるまであのままか・・・可哀想に」

角をもらおうと思って、ナイフと、一応鉄砲を持って現場に。タヌキにクマにシカに・・・足跡のオンパレードだ。さっきの滝と違って、クマの匂いはしないので、足跡は今朝のだけども近くには居ないのだろう。
ネットの所に行くと、頭蓋骨にまだ脊髄がつながった状態で白骨化していた。おそらくひっかかってすぐにストレスか、またはクマに食われて死んだとは思うが、どうやっても絡みついたネットが外れなかった時の彼の絶望を思うと本当に胸が痛い。

昨夜は焼き肉だったのだが、用意していた肉が食べ切れなかった時、ふと前日見たすべての山に、鹿が食べれそうなものが全く無かった事を思い出した。
飽食しつくしている人間が、飢え尽くしている鹿を殺す・・・
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by oglala-beads | 2010-01-23 20:41

頑張ろう

だいぶ前の納品だが、country store 501への客注納品分。
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現在はfunnyモカシンとコンチョが進行中。

new dealから風神・雷神のリピート。ライター・シースも完売らしい。これも最初はもの凄く苦労した商品で、それこそ全く動かなかった。「100円ライターにそんな金額出す人居ませんよ」と東京の大手に鼻で笑われたのが昨日の事の様だ。

今回new dealに納品したライターシースの内の一つが、実は自分にとって記念すべき作品だった。このことは売れてから書こうと思っていた。
ライター・シースは色味が難しい商品で、特に革によって雰囲気が相当変わる。うちのブレインタンに合わせる為に、現代物のチェコ・ビーズを使って、出来るだけアンティーク調になる様に今まで心がけてきた。でもそろそろ限界に来ている。柄を変える事も視野に入れつつ、今回納品する商品の色を決める為に、ビーズを全色広げた。
「今回ベースカラーになりたい人!」と問いかけたのだが反応が無い。
しばらく腕組みをして睨み合っていたら、やがて向こうの方から溜め息と共に、
「なあ、アンティークやないとアカンのか?」と問いかけてきた。
「柄か?」
「いや、柄やのうてな、色よ。色味をコンテンポラリーにしたらあかんのか?」
「・・・つまり俺の色味でってことか?」
「そうよ。もうええんとちゃうか?伝統を活かしながらのコンテンポラリー。今のあんたやったら出来る。ワシらが保証する」
それによって扉が新しく開かれた。あくまで方向性の一つなのだが、妙な清々しさに溢れていた。


昨日から右手の小指側が妙に疼いておかしいなと思っていたが、これはそう、いわゆる季節の変わり目に古傷が痛むってやつだろう。熊の鞣しの時に怪我した場所ピッタリだ。


最近、すべてに於いて、どうも一生懸命さに欠けている。ケツを叩き続けることより、密度の充実を心がける時なのかな、とも思い、そうしながら、水面近くから人間社会を見ている河童の様に、じっと自分の周りの人々の流れを、ただ見ている。

「傍観者の様だ=一生懸命さに欠ける(?)」という図式が思い浮かぶ。


funny 西宮ガーデンズ店から再度oglala商品の取り扱いの要望を頂く。imp店とお客さんが被りそうなので躊躇していたが、どうも取り扱いたい品目がimpとは違いライター・シース等、重みに一歩傾いた商品らしい。もし住み分けが出来る様なら、うちとしては有難い話だ。ただその前にikspiariへの納品をしっかりしないと。nuu-の大量発注のパターンに対応出来るか否かの目処も立ててからの話だろう。
ということで、ikspiariとガーデンズでの取り扱い開始をお待ちの皆様、申し訳ありません、目下鋭意努力中、検討中であります。
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by oglala-beads | 2010-01-21 14:08

今回の納品分から〜風神〜

作業日誌を更新。「Chain新色~風神~

風神・雷神のチェインの内、未完成だった風神の依頼が入って、机の上にいつも置いていた、試作品のユニットを改めて見入った(参照ページ)。
雷神のチェインはビーズ・ユニットに関しては文句無しで、強いて上げればブラス・ビーズが、真鍮の混合比の関係なのか、このチェインの色味に合わない気がしていたぐらいだろう。しかしそれも経年変化で使用しているうちに望む色調に沈んでくれることを実際に確認出来たので発売した。
一方、風神のチェインに関しては、試作ユニットが出来上がっても、どうも今ひとつピンと来ないところがあったので発売を見合わせていたのだが、受注が来た事でもう一度納得いくまで試作してみようと思った。それで駄目なら受注をキャンセルしなければならない。
だが、試作ユニットを見た瞬間に「あ、これこれ。これだわ」と訴えてくるものがあり、これも万を持して発売出来る事になった。
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このチェインだが、赤を白で挟んで、さらに両脇を紺で挟んでいるので、遠目に見ると赤/白がピンクに滲む様に設定してある。この場合は非常にソフトに、お花畑の様な可憐さを出すし、反面合わせる洋服によってはマムシよりも深くて重い印象を作る事も出来る。これを利用して、モードにも振れるし、女性にも合わせやすく、かつイカツクも使える懐の深いものに設定している。
今までうちのチェインが合わなくてあきらめた方は、いちど試着して欲しい。

ちなみに今回New Dealに納品した風神は、昨日、本ブログで納品写真を掲載した段階で売約済みになったらしいのだが・・・・

今回、雷神も初の納品で三本制作したのだけど(2本little wings、1本new dealへ)、風神も含めて今回から、フックの鹿角が新しい個体のものになった。これは今期の猟期初め頃(2009年11月22日)に猟場近くで交通事故で死んでいた個体のもの。非常に立派で太く長い角で、この界隈では滅多にお目にかかれないものだった。しかし左右の角がアンバランスでしかも奇形で、破棄されるとの事だったのでチェイン用にもらっていたもの。
驚く程に骨密度が高く、非常に硬い上にしなやかな組成である。それは鹿から角を切り離すのが大変だった程で、猟隊の後輩のM君が一生懸命手伝ってくれたにも関わらず、すごく時間がかかった。
元々、角フックは、皆が取扱に気をつけてくれているせいかも多分にあると思うが、見た目よりは強靭なのだが、この個体から削り出したフックはさらに強いものである。
つまり、何が言いたいかというと、この個体の角フックを折ってしまう人に対しては、OGLALAとしては出来る事は何一つ無いということ。不幸にしてそうなった方は「まだ自分はOGLALAを持つには早い」と理解して頂きたい。
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by oglala-beads | 2010-01-15 23:03

2店舗出荷の報告と、残る1月の出荷予定

「Little wings」
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「new deal」
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スポットライトを当てたい商品が何点かあるので、後日紹介予定。

今月の出荷予定
今週末・・・・・・・・・・「country store 501」
1月23日頃・・・・・・「funny imp店」oglalaオリジナル商品の12月納品予定分の残り
・・・・・・・・・・・・・・・・「funny」客注モカシン(入庫分すべて)
末頃・・・・・・・・・・・・「whol」

peyoteを作れるパワーが湧いたら「naps!」分peyote zippoを製作。
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by oglala-beads | 2010-01-14 20:49

美人

h111509-2。

いわく付きの皮。違法な罠にかかっていた個体で、とても美人な牝だった。
通常罠は毎日見回るべきなのだけど、3日は放っておかれたみたいで、ワイヤーの絡んだ腰回りは壊死し、ありとあらゆる害虫に取り付かれていた。
鹿はストレスに弱いらしく、通常そういう状況であればストレスで死ぬこともあるらしいが、この個体は生きていた。
皮としてはコンディションが悪く、持って帰るのを躊躇したが、出来るだけ沢山の人にアクセサリーとして愛用してもらう事で供養して欲しいと思い、持って帰っていた。

他の同時期の皮と同時に解凍を始めて、マダニ系は死んでいるのを確認したのだが、ニホンジカに付く種類としては未知のダニと卵塊があり(おそらくテンによく付いているダニと同種)、死んでいるようだったが用心の為に強塩水に数日浸し、それを真水に戻す作業に数日かけていた。
一度塩を入れた皮をニュートラルなphに戻すのは結構大変な作業で、川が近くにあれば漬けておけば良いのだが、うちの様に無い場合は何日もかけてやることになる。ちなみにニュートラルに戻ったかどうかは舌で舐めて確認する。

この皮、数日前から猫?(確認した訳ではないので、カラスかアライグマかもしれない)に狙われていて、バレルから頻繁に引っ張り出されていた。今までそういう事が無かったので、ちょっと癖をつけると良くないなと思い、まだニューロライジングが終了して無かったが、フレッシングに取りかかった。
30分程で終わらせて洗っていると、毛がところどころ緩くなっているのに気付いた。もしやと思いgrainningをやってみる。背筋沿いは固いとはいえ、やれない固さでは無い。脱毛だけでなく、ちゃんと表皮のレイヤーが剥がれていく。

こうなると待った無しで、早急にgrainningにかからなければならない。このタイミングを逃すとバクテリアに喰われて穴だらけになるし、目で見えなくても弱い皮になる。さらに、このタイミングを逃すと今度は逆に癒着が始まって本皮と表皮が剥がれにくくなる。今日も製作で忙しく、こちらのほうも「待った無し!」だったし、風邪をひいた様で身体も辛かったのだが急遽grainningにかかった。このあたりが生き物(鹿としては死んでいるが、皮としてはまだ生きている!)を相手にする大変さだ。
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おまけにアラレまじりの雨まで降って来た・・・

壊死が始まっていた部分も本皮はまだ大丈夫だった様で、硬化は始まっていたが、どうにか出来る状態だった。他の部分も他の人だと目を背ける位に害虫にたかられてはいたが、すべて本皮は大丈夫で、それでいて大きく、美人の牝らしくしなやかで程よい厚みの皮だった。
つまり、予想外の良い皮を手に入れた訳だ。

ところで、重塩水に漬けたのが12月29日として、今日が1月8日。ちょうど10日か。通常soakingが完了してgraininngが出来る様になるには夏で3日〜1週間、春秋で1〜2週間、冬だとモノによっては1ヶ月かかっても出来ないものなのに、牝であることを考えても10日はちょっと異常だ。しかもここ数日はバレルの水は凍っていた。
soakingはバクテリアの作用によって、本皮と表皮とを分解させるテクニックであり、それ故にcontrolled rot、「腐敗管理の技術」と呼ばれる。バクテリアの活動が活発になるのは摂氏15度以上だったと思うので、今回の異常さは想像に難くないと思う。

もしかしたら塩による作用なのだろうか?
通常、鞣しにおいては塩は防腐によく使われ、その際は使用する量もあまり沢山ではない。一方、毛皮の製作の場合は水分の吸い出しの為に使用するので、非常に沢山の塩を使う。そうやってカラカラにし、同時に毛穴の引き締めをするので、後々の行程での脱毛を防ぐ効果がある。
なので塩が脱毛を早める事との結びつきは考えにくいとは思うが、塩を水分の吸い出しに使うのも、塩の保水効果の高さを利用したものだ。つまり、量の加減によっては皮本体の内部に入り込んだ塩が保水することで、本皮と表皮の分解を早めたのでは・・・・

単に個体差なのかもしれないが。そういえば僕自身は牝を鞣した経験が少ない。鞣しやすそうな牝が出ると、鞣しをやりたいという人にあげていたから・・・・(それでも最後まで鞣せたのはアシスタントだけだ)。本当に鞣しやすい皮というのはこういうものなのだろうか。「美人の鹿」というのが関係あったりして・・・

人間でも、美人ほど素直で曲がって無かったりする。・・・これも個体差、いや、個人差はあるが。
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by oglala-beads | 2010-01-08 18:39

ヌートリア

相変わらず新年らしい雰囲気も無いまま、ドタバタ中。

h122009(female, 120cm, slender, thin but equally thickness the whole, firm, a few buck shot holes and small bore rifle's, mr. S and N, Fujiwara valley)をfleshing。
獲れた時は毛皮用に考えていたのだが、革向きだろう。

頑張って体積を減らしたにも関わらず、やはり冷凍庫が一杯なので、fleshingが終了したものは乾燥保存する事にする。

昨年度までの繰り越し4頭を入れると、これで12頭。このペースでいけば30頭ぐらいの皮を今年は処理することになるかもしれない。革の販売も視野に入って来た。

毛皮に出来そうな皮が今期まだ無い様だ。今年は鹿猟の期間が伸びたので、猟期明け近くの、毛が夏毛に切り替わりつつある個体が良いかもしれない。その頃になると白班が出始めるかもしれない。4〜5頭ほど毛皮にして、身内に床ずれで困っている人が居る様な、世話になった人等にあげれたらと思う。聞いた話だが、鹿の毛皮を敷いてその上に寝かせると、床ずれはたちどころに治るそうだ。鹿の毛は中空で丸いので、常に空気が通るし、また空気の上に寝ている様なものだからだろう。

猟隊の後輩のM君から電話で、ヌートリアが獲れたから鞣したいとの事。週末の猟の際にビームとスクレイパーが車に載る様なら持参してfleshingだけ出来ればと思うが・・・脂が凄そうだ。現場に丸太があれば用は足りるが。スクレイパーも当日獲れた鹿の足の骨で代用しても良いかもしれない。
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by OGLALA-BEADS | 2010-01-06 16:35

チェインを仕様変更

ようやく外仕事が出来る天気になった。
ついでに一頭fleshing。

h112209-2(thick, buck, 140cm, dry scrape, mr.N, kindergarten, knives scars on both shoulders, a few small round holes of unknown origin like as buck shot...perhaps small bore rifles)


チェインのリア・フックが壊れるトラブルが、ここ一年で2件あった。その内の一本の金具が、バネ以外のパーツが残っていたので内部を見て驚いた。
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バネ強度にもよるが、これは壊れて当然。ちょっと呆れた。
このパーツだが、アクセサリーをやっている業者なら、皆お世話になっているH産業のもの。このフックは評判が良かったので使っていたのだが、あてにならないものだ。
業者に談判してみたのだが、どうにもならぬ。やはりシルバーだと各パーツが弱い事も原因の一つだろう。
人(業者)に任せざるを得ない部品がいい加減でトラブルが起こる時ほど腹立たしいものは無い。
これを受けて、チェインのシルバー版を全廃にし、全金具をブラスに仕様変更する。本日より。


取引先を通じて東京系の企業から引き合いあり。ただでさえ納期がずれているのに「無理だろう」というのが最初の感想だったが、現在東京に商品を見せる場が無い事を考えると、通常のOGLALAのラインナップの話であれば、無茶を押しても一考の余地ありと考える。ただ、関東はFUNNY IKSPIARIで近くラインナップ商品の展開を始めるのでどんなものか。まあ、何にしてもコラボ商品の製作という話であれば今は論外だろう。相手がFUNNYさん級に懐が深い様であれば話は別だが・・・
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by oglala-beads | 2010-01-05 19:37

吹っ切る

新年おめでとうございます。これからもOGLALAをよろしくお願い申し上げます。
今日から仕事という方も多いと思います。うちは年末年始は平常時より忙しかった・・・現在進行中・・・という具合です。二日についに音を上げたアシスタントの「やすませて」の声に、ようやく休みをとりました。それでも週末の寒波の読みが甘く、屋外仕事(チェイン関連)がまったく出来ず、方々に迷惑をかけてしまった次第です。

昨日、3日は今年の初猟。先週から一週間しか経っていないが、年が変わって気の巡り(?)が変わったのか、ふっきれたのか、前日の憂鬱感も無く、逆に勇んで出かけた。夜明けと同時に、思った以上に気温が上がってきたため、想定していたコースは外れ。一応跡だけ拾ったら銃禁区域に入っていた。「今日はここを渡りそうだな・・・」と行きしなに眼をつけていた場所があったので、そこに車を停めて猟隊の集合時間まで待つ事に決める。と、来しなにすれ違った地元のハンターとおぼしき人の発砲音。どうも予定だった場所辺りだ。慌てて車を回すと、思った通り予定の場所だった。「あ〜、やられた〜!」と思いながらも「おめでとうございます」と声をかけると「ありがとう!今、とどめさしたんや!」と言っているが、鹿はバッタンバッタン暴れている。
「え?大丈夫ですか?」
「大丈夫や、首切ったから、もう死んどる・・・あんた、ロープもっとるか?」
「はあ、持ってますが」と車に取りに戻っていると、
「逃げた!すまん!止めてくれ!」
「え?いいんですか?」
全然死んでないじゃないですか・・・凄い勢いで走ってましたよ・・・首の骨を狙ってズドン。撃った瞬間頭が有り得ない方向を向いて絶命。見るとオジサン、咽は切っているけど、頸動脈を切っていなかった。
この一頭は自分が獲った訳じゃないし、皮ももらってないのだけど、一発で止められた、という事で大きな自信になった。今年は獲物の数が少ないのに加えて、猟の運が本当に無い。それに加えて「半矢にして苦しませるぐらいなら撃たない方がマシ」っていうのが大きなストッパーになっていたので一歩前進である。あとは睦月前半の仕事を終わらせて鹿の多い地域への単独出張を増やせば、もう言い訳はきくまい。
ところでそのオジサン、僕と同じで早朝の単独が多いらしい。
「今期どうですか?」
「あかん、あかん!ほんまに少ない!去年の4分の1以下やで!」
「やっぱしね・・・」
今年は保護した方が良いのでは・・・
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by OGLALA-BEADS | 2010-01-04 11:04