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感謝

あの悲鳴。
あの目。

夢でまで苦しんで、ようやく体得した自らの悟りでしたが、ふと気付くと似た様な言葉を既に”知っている”事に気付きました。

「許しは請わない 感謝する」

ラコタの大平原の真ん中を、一人歩いている想いでしたが、その言葉の中に同行者達の姿を見付けました。

世界各地の古今東西の、ほぼすべての狩猟民族達の教えの中に、この言葉を見いだす事が出来ます。

「なるほど」程度の感動を残し、いつしか使い古され、美徳やエコロジー的な定義の一つとして手垢にまみれて路傍に転がっていた言葉。
しかし今は、彼らがこの言葉に辿り着いた、その過程を思い胸が震えます。


いずれ僕は同行者達と手をつなぐ。勿論、中にはラコタ族の戦士達もいる。
距離はあって、姿がおぼろげであっても、今や、僕は彼らと一つだ。

そして、思いは、僕自身の命の重さへと至りました。
家族や仲間達の思いの重さ分だけは最低限大切にしたいと思いました。
でも同時に、自分の魂に羽が生えているのを感じました。
こんなに力強い翼を、僕はいつから持っていたのか。
向かう先は、空なのだろうか。きれいな青だ。
孤独なのだろうけど、なんだか暖かそうだ。

同行者の一人、ラコタの戦士が笑って言う。

「今日は死ぬのに良い日だ」

ああ、まったくだ。
笑ってしまう。
当たり前のことじゃないか。
わざわざ、なに言ってんだ。
おかしくて、おかしくて・・・






長い間、工房雑記をご愛読頂きまして、誠に有難うございました。
本日をもちまして、当ブログの更新を終了させて頂きます。
今後、当ブログは、鞣しや、その他、色々な事で悩んだ人の1参考にして頂ける様、各記事のカテゴリー分けを見直し、文章を編集した上で、残しておこうと思います。
当ブログの代わりに、ウェブサイト内のOGLALA PRESSにてニュースやコラム等の準備をしております。そちらが出来上がるまでは作業日誌を稼働させております。またアシスタント日記にて工房の近況等をご覧頂けます。夫々、リンク欄からお越し下さい。
どうか、これからも、OGLALAをよろしくお願い申し上げます。


OGLALA(オグララ) 岡居 宏顕
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by oglala-beads | 2009-03-26 16:57

ただいま考え中

遅れに遅れている納期を取り戻すべく、現在奮闘中です。
そんな時に限って、、、というのか、まるで猟期が終わるのを待っていたかの様に、トラブルが大挙なしてやって来ています。今週は毎日なにかしらが起こりました。
やれ、実家の風呂の水が止まらなくなった・・・工房の地盤に問題が出た・・・面倒見ている野良猫が死にかけの状態で助けを求めてやってきた(彼女は多分、今日明日で逝ってしまうと思うけど)・・・その度に走り回っていて、あまりの仕事の出来なさに二人ともナーバスを通り過ぎています。

てことで、納期がある程度取り戻せるまで、工房雑記をお休みいたします。今月中には復帰出来ると思いますが。。。

実は本ブログに関しては有難い事にアクセスは多いものの、正直なところ、楽しみにしてくれている人、いるんかな?ネタ元になってるだけとちゃうんかな?仕事に役に立っているのかな?復帰する必要あるんかな?もう役割を終えたんじゃないのかな?と心が揺れているのです。
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by oglala-beads | 2009-03-08 20:23

けじめ

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2月末日で、初の猟期が終わりました。猟期中は連絡がつかなくなったり、納期が遅れたりと、なにかとご不便、ご迷惑をお掛け致しまして申し訳ありませんでした。
許可が下りて僕が実際に猟に参加し始めたのは去年末からで、実質2ヶ月少しでしたが、何だかやり遂げた様な充実感に満たされています。見ている景色に色彩が戻りました。
猟期中は自然に、目よりも耳、そして目は常に焦点を一つに合わせずに広い範囲の中から動くものだけを拾って見ていました。
頭の中では、最新の天気図と地図を見ながら鹿の行動、自分が鹿ならどう動くか、等を考えていました。
また、猟に行く前の日から食事を制限し、猟の間はカロリーメートを昼食に半分だけにし、酒は完全に絶っていました。結果的に最初の一ヶ月で数キロ痩せて、逆に後の一ヶ月で体重が増えて来ました。これはリバウンド等ではなく、脂肪や筋トレ等で付く膨張した無駄な筋肉が落ちて、逆に締まった必要な筋肉が付いてきたからです。おかげで反射神経も俊敏になりました。

こんな具合に、生活の全てが猟の方向に向いていたのですが、ケジメとして、本日、練習に使う猟具以外、すべての猟に関する用品を片付けました。本ブログに於いても、何か特別な事等あった時以外は、今日を最後に来期まで猟の話は封印しようと思います。

実質的には2ヶ月少しだった猟期でしたが、その数々の免許等を取る為に、実際は夏からずっと生活の中心は猟でした。その半年の間、色々な方に叱咤激励や実質的な手助けを頂きました。それら全てに対して胸を張って報告が出来る、充実した、いや、それ以上だった猟期でした。すべては作品のみならず、自分の人生に投影され、皆様に還元される事になるだろうと思います。有り難うございました。
特に師匠である、群馬県水上市の熊猟師であり数年連続射撃チャンピオンである、阿部達也さんには生き方自体を教わりました。自分自身が胸を張って寿命を全うする生き方が出来そうです。

熊猟、というと受け手それぞれに色々な考え方があると思いますが、男の生き様として、男であればそこに格好よさを見いだす方も多いと思います。僕もそうでしたが、それがいかに恐ろしいものかを今年は本当に痛感しました。鉄砲を持っていると最強の様に思われるかもしれませんが、鉄砲は単に動物の牙や爪、そして力、身体、といった武器の一つに過ぎません。利用の仕方によっては非常に無力です。
僕は幸いにして獲物よりも先に相手に気付いて攻撃を仕掛けましたが、相手に先に気付かれて先手を打たれる事もあります。
また、僕は殺した二頭いずれに対しても3発の弾を使ってやっと仕留める事が出来ました。言い換えると3発撃つまでは死ななかったという事です。これがもし熊、特に子連れであったら、僕は逆襲にあって死んでいたでしょう。

熊猟はまさに、心技体、すべてが揃った人で無いと出来ない事です。無理にやっても命を落とすだけ。そして何も熊猟ではなくても、兵庫の山にも熊は居ます。そして彼らは最近、どんぐりや栗等の餌をあきらめて、子鹿を襲ったりと肉食になりつつあります。未熟さは死を意味する事が今季は身にしみて分かりました。今年、無事に猟期を終えられたのを幸運とさえ考えています。来期に向けて、たゆみない努力を続けてゆこうと思います。


さて、最終週の猟ですが、木曜日に、いつも行っている猟場より北の朝来と八鹿に、お世話になっている女性ハンターの吉井あゆみさんを頼って行って来ました。僕が普段入っている山とはすごい違いで、鹿の数は数十倍ではきかないと思います。異常な位の密度の濃さで、地元の人曰く「野良猫ならぬ、野良鹿だよ」。本当にそれ位、ちょっとした町中でも糞が転がっている始末で、山の中は下草一本まで喰い尽くされています。田畑の鹿よけネットは高電圧が流れるタイプ。ちょっと山に入って向かいの山を見ていると、犬に追われた鹿がヒョンコラ、ヒョンコラと等間隔で走ってゆく。何だか遊技場の射撃ゲームの様でした。しかし鹿の方も学習していて、なかなか人の近くに出る事はありません。何頭も見たけれど、いずれも射程ではなく、途中からは見学状態でした。

最終日はまた朝から一人でいつもの山へ。どうも跡が薄く、あっても子鹿のものだけでした。あきらめ気分に調子が悪かったのも手伝い、さらに先週念願の一頭を仕留めた事もあり、獲れなくても良いや、という感覚だったので、山の頂上に不用意に上がり、その瞬間、5メートル先に居た大きな牡鹿二頭に、構えながら遊底を閉じる0コンマ数秒の間に、霧の中に飛び降りられてしまいました。ただ、ゆっくり頭を出したところで結果は同じだったと思うし、弾を入れて遊底を閉じて急斜面を上がるのも危険な話なので、あれは仕方無かったかなと思います。来期の目標として、ああいう出会いをどうモノにするかを考えたいと思います。
その後の団体猟では一匹の鹿にも出会いませんでした。最近、団体猟ではボウズが続いています。鹿も賢くなって犬のパターンが読まれているのだと思います。


ところで、僕が入っている山の近くに、銃猟禁止区域になっていて、その界隈では登山者に有名な山があります。特にロッククライミングで有名なのかな。登山道の前を通るのですが、いかにも自然愛好家といった出で立ちの方には、非常にキツイ目で睨まれる事が多いです。「生き物を殺して、バチ当たりめ!」といったところでしょうか。きっと彼らは杉林の山に入って「自然っていいなあ〜」と満喫して帰られるのでしょう。自分達からすると、杉林は単なる樹の工場にしか見えません。山が悲鳴を上げているのが分かります。
馬鹿なハンターが多くて(ほとんどかもしれません)、山の管理の為の使命を意識して猟をするものはかえって稀有だと思いますが、そういった馬鹿なハンターでさえも、鹿の頭数制限には役立っています。

本ブログは、色々な方が読まれています。ハンターの方もいらっしゃいます。反ハンターの方もいらっしゃいます。全く無関係な方もいらっしゃれば、鹿の被害に悩まれている方も。その全ての方に、この事実だけ提示させて頂いて、本年度の僕の、猟の話を、終わらせて頂きます。
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by oglala-beads | 2009-03-01 21:53