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無様

知らない人からしたら、日本の身近な山の中で鹿が見られるなんて驚きだろうと思う。
配偶者も、僕から色々な話を聞いていて頭では分かっているのだろうけど、兵庫の山は鹿だらけ、という現実を本当の意味では理解出来ていない。
ということで県北部に鹿を見に連れて行った。その際の話はアシスタント日記に配偶者が詳しく書いているのでこちらをご覧下さい。
二頭出て来たオスに二発かけていずれも当たらず。出た瞬間、距離的に当たる気がしなかった。スラッグは70メートルが有効射程距離だが、どうも自信を無くしている様で、50m以上は当たる気がしなくなっている。後で計ってみると72メートルだった。
それにしても、雪のある場所は動物の跡がハッキリと分かるので単独猟が本当に面白い。猟期はあと数日だが、その中でもう一度行ければと思う。

週末の、いつもの猟隊での猟で、やっと始めての鹿を撃った。ただ、かなり無様な獲れ方だった。
早朝に一人でお地蔵さんの横に車を停めて山に入る。前回山で迷った時に無事出れたのはお地蔵さんのお陰かな、と思っていたので、入る前にお礼にワンカップを供えた。ともかく事故が無ければそれで良い。
いつもの場所には気配が無かったので早々と下山。お地蔵さんに結果報告をして、残り少ないですが出来たら獲らせて下さい、とお願いをする。猟隊の集合時間まで目星い場所を車で見て回る。一カ所でメス二頭と、もう充分大きな子鹿3頭の計5頭の群れを見付ける。子鹿の内の一頭が少し大きく色が濃かったので牡だろう。距離は10メートルで充分に射程内だったが別荘地に近かったのでしばらく観察した。
結果的にこの群れを巻いて一歳の牡を僕が仕留めた。ただ、半矢にしてしまい、止めるまで30分近く苦しめてしまった。
僕が張ったタツメは向こうの尾根を走る鹿を一望出来るが、苦手な距離(70超)で、その手前にはイバラの植生地が広がる。タツメに入る場所の指示が分からず、張る前に3頭に走られる。その後場所を見付けたものの本来の場所では無かった様で足場が悪く、移動した瞬間に、待っていたらしい二頭が走る。犬がすぐそばに居たので、下の音を全部犬だと思っていた。尾根沿いのタツメの「岡居さん、下!」の無線で慌てて元に戻って確認。一頭目は朝の群れには居なかった大きな角のオス。一発かけたが外れて姿が見えなくなる。二頭目にかけて命中。45度位の斜面を少し転がって茂みの中で止まった様だ。まだ少し動いている様で時々頭〜肩が見える。とどめにもう一発発射する。動かなくなった。止めた旨を連絡して次の鹿に備える。しかし5分ほどすると息を吹き返したのか、もがいて少しずつ下に落ちていく。樹でとまり樹で止まりといった様子。僕の場所は5メートル程の崖の上で降りる事がすぐには出来ない。しかも下にはまだ他の鹿の気配がある。仕方無いので見えた時をつかまえて数発放つが100メートルを超えているせいか当たらない。弾は残り一発。無線で連絡をして追う事にした。
下に降りるとイバラの森が待ち構えている。一カ所身体のどこかが引っ掛かると次々に巻き付いてきて四肢をとられて磔状態となる。その上に動くと、しなった枝が巻き付いてきて帽子、ポケットの中のもの、眼鏡を持って行かれる。手袋に一番引っ掛かるので外す。あっという間に手が血だらけになる。手は僕の生命線。いつも手袋等で保護しているが、それよりも早く止めてやりたかった。ポケットの中の首巻きはいつの間にか無くなっていた。と、すぐ近くで気配。見るとイバラ越しに別の鹿が潜んでいる。距離5メートルだけどイバラや灌木でどうしても撃てない。しかも残弾は一発。見えた瞬間にもそれで躊躇してしまい引き金を引けず。今思うと悪い判断だった。少しずつ上手くイバラを利用して別のタツメが待つ尾根に移動してゆくのが音だけで分かる。別のタツメに任せて動こうとした時、近くのあちらこちらから気配がした。どうも鹿が身を潜めていた場所のど真ん中に入ってしまった様だ。他のタツメを集まって来るが撃つ事も出来ず見守るしかない。
しばらくその状況が続いたが、残弾も一発だし、状況を動かす為に半矢の鹿を追う事にした。
ようやく射撃点まで辿り着き、血を確認。しかし色が鮮やかに赤い。どろっとはしていない。致命傷では無い。数カ所に血を確認するが、量が少ない。血では追えないので、滑った形跡と想像力とで追ってゆく。鹿の足での攻撃は非常に怖いので気付いたら横に居たという事の無い様に用心して降りてゆく。
しばらくして姿を確認。腰に弾が入って大腿骨を砕いている様子。それで致命傷では無いが下にしか動けない訳だ。
彼が3メートル落ちて僕が5メートル寄るといった具合で徐々に距離を詰める。やがて観念したのか動かず、じっとこちらを見て来た。何とも言えない目。早くとどめを刺さねば・・・ようやく灌木の枝が邪魔しない場所まで出る。さて、どうしてとどめを刺したものか・・・最初にタツさんに電話かけて聞こうか・・・と頭を過って、あまりの不甲斐なさに我ながら苦笑してしまう。と、無線が入る。
「見付けたか?」
「はい。あと10メートルほどに居ます。ナイフで止めようと思いますが、どこを刺そうかで弱ってます。やったことが無くて・・・」
「首を撃て!首!」
そうか、まだ一発残っていた。彼が首をもたげる。しかし捻っているので首は細くて、近いんだけど万が一を思うと発砲出来ない。
彼が何とも言えない目で僕を見て来た。それを打ち消す様に、頭部に向けて発砲。動かなくなった。
それでも用心して近づく。最後の弾は頭部の真ん中を潰していたが、脳に当たっている訳ではなかった。ので、まだ息が少しあった。
いつも腰に差している、高知の友人にもらった剣を抜く。しばらくためらって自然に息が絶えてくれるのを待ったが、意を決して首にあてがって、一気に引く。剣の切れ味の良さと、居合道試し切りで慣れていたのとで、一気に気管を切り咲き、頸椎まで刃が届いた。首を開いて血を抜く。あらかた出たところで斜面を利用して更に血を抜く。

本当は今回の初獲物に関しては書くのをよそうかと思った程、無様な仕留め方だった。思い出すと胸が苦しくなるし、叫びたい衝動にも駆られる。でも、書いておこうと思った。自分のために。いつか立派なハンターに成長した際にも今日の事を忘れない様にしたいと思う。

でも意外だったのは、イノシシの時の様な「僕自身を哀れむ」様な甘えた自己憐憫のショックは殆ど無く、純粋に「苦しませて悪かったな」という意識だけで、それよりもやっと仕留めれたという喜びが純粋に大きかった。今でもそれは変わりない。それは、自分がこの死に責任を持てるという意識と決意があるからなのだろう。正直なところ、イノシシは今後も撃てなさそうだし、ハエも最近は殺せなくなった。

スーパーの食料品売り場に行くと、沢山の死が綺麗にパックされている情景に寒気がして長い時間居れなくなった。冗談みたいな話だが理屈ではなく本当に恐ろしい。
「自分で殺す」ことをむごいと思う人が大多数を超えた多数な訳なのだけど、これは本当、考え方の違いなのだろうな、と思う。
こんな言い訳が出るぐらい、今の自分は無様だ。
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by oglala-beads | 2009-02-23 18:30

迷子

事情を知らない人からしたら、ズレ込んでいる納品を放ったらかして遊んでいる様に見えるかもしれないのだけど、内々の事情があって、義理の親戚の農作業を時々手伝いに行っている。今週は椎茸の原木の切り出しと菌打ち、それと漬け込み。
手伝いを始めて三年目になるのか。手伝ってみて実感したけど、農作業は本来は高齢者が中心になって出来る様なものでは無い。例えば田植えとか収穫とかいうハイライトは誰かしらが手伝ってくれたり、機械が進歩しているので大変なりにもなんとかなるんだろうけど、日々の、本当にちょっとした事が案外大変だったりする。おまけに、その親戚の家も含め、兼業農家の多くは、それで生活をするというよりは、先祖からの土地を守る等の意味合いの方が強いし、実際の収支はトントンかマイナス気味。親戚や周りに配るために作っている様なものだ。

農で食べるというのが若干流行っている様に思うけど、僕は、あれじゃあ喰えんで・・・と思う。1枚の田で一体どれほどの量の米がとれるか・・・それに対して1枚の田にどれほどの手間ひまがかかるか・・・。



この日曜日で本来の猟期は終了。ただ兵庫県を含む、鹿が異常に増えて間引く必要のある県では、2月いっぱい鹿猟が認められている。僕はディア・ハンターな訳だからあと2週間弱は出猟出来る訳だ。一頭・・・本当、一頭だけ獲れたら、今年は大満足なんだけど。

そういう期待も込めて、この日曜日も猟隊が動く9時まで、単独の早朝の山行き(うちの猟隊は毎週日曜日に活動している)。夜明け前に車で獣道の入り口に着いて静かに準備をする。その間も全ての神経は山に向いている。時計を睨んで、日本標準時の夜明けと共に山に入る。
今回は前回に感じた、山に対する怖さは感じなかった。前と同じコースだからかもしれない。しかし、入る前は相変わらず「う〜ん、やっぱり獲れなくても良いや」などと考えてしまったりする。
それが登り始めるとどういう変化か、撃つ気満々になって目をギラギラさせているから不思議だ。

山に入る前、僕が入る方向とは逆の方向で鹿に警戒警報を出された。しまった、気付かれたな・・・と思いながら入って行く。それがあったんで、今回はかなり無防備に入って行った。
すぐの急な坂を越えて尾根に出る。そのまま尾根沿いを歩いてピークまで。途中右手に広場の様に平らな、杉の樹の畑の様な場所に出る。前回はここで左手から鳴かれたわけだけど、僕の勘では右手の広場は鹿の寝屋で、静かに近づけば可能性が高いはず・・・
ここが今日の狙いのメインだったのに、警戒音を出された事であきらめていたのと、妙に勢い込んでしまって、広場に出る前に速度を落とさず、そのままズカズカと広場に踏み込んでしまった。
その途端、真っ黒の、相当大きな鹿二頭に走られた。慌てて撃とうとしたが間に合わず。速い速い。本当に笑ってしまう程に速い。杉の木の隙間から姿が見えたのはわずか1秒ほどか。30メートルはある広場なんだけど。

暴発しない様に、薬室に送り込んだ弾を取り出しながら、「まあ、それにしても毎回課題はクリアしていってるし、狙いも確か。それで良しとすべきだよな」と、ひとりごとを言う。実際、兵庫は鹿が多いといっても、僕の猟隊の地域はそれほどでも無くて、一人が一猟期に見る鹿の数は平均で恐らく5頭を越えないと思う。僕は毎回見ている訳で、それは本当に大したことだと思う。今季の結果が例え悪かったとしても、来期に繋がる良い形であろうと思う。
「俺は仕事でも何でも、こうやって一つずつ課題を自分で作って、クリアしていくのが好きなんだ。だから自分を誰とも比べていない・・・」。ひとりごとの続きをしながら、さらに奥へと進んでゆく。もうここ以上行くと、例え撃っても回収がしんどいという場所で、折り返す。ピークを過ぎて尾根沿いに下ってゆく・・・
急な、本当に急な崖を降りる。相当降りた所で、ふと気付く。
「あれ?こんなに登ったっけ?・・・・だし、尾根が・・・無い」
それでも多分あれが尾根だろう、と見当を付けて降りてゆく。しかし知らぬ間に谷筋に降りてしまっている。間違えたか・・・少し登って方向に見当をつけるのだけど、どの尾根もまったく見覚えが無い。数回振らないと動かない、時計に糸で縛り付けてあるコンパスを見ると、北を向くはずの進行方向が、東を向いていることになっている。
「くそ!やっぱ駄目か!馬鹿コンパス!」
なんせ北からまっすぐに来て、引き返して南からまっすぐに歩いてきたはず。だから自分は北に向かっているはず。間違っているのはコンパス・・・でも、見えている景色全てに見覚えがない。しまった、迷ったか・・・・落ち着け、いや、本当に落ち着け・・・思うんだけど、思うだけで座る事すら出来ない。参った、どうしよう、どうしよう・・・

西洋の一部では、鹿は人を騙して道に迷わせると言われている。極めて陰険な騙し方をするという。正直、ちょっとそれも頭を横切った。ともかく、もう一度ピークに戻らなくては・・・撃つ気ももう失せているし、崖をかなり登らなければならないので弾を全部取り出す。すぐ近くで鹿の警告音。
「今日はもう撃たへん。ギブアップ。ギブアップ。俺の負けや。悪かった」
鹿の警告音に追い立てられる様に崖を登る。焦っているのも手伝って、心臓が破れそうにしんどい。ようやく登り切ってコンパスの指す北を見ると・・・見慣れた尾根が優しそうな顔でピークから続いていた。

下山して猟隊の隊長格の人にその事を話すと、「頂上が一番怖いんや。ほんのちょっと尾根を間違えただけで全く違う場所に出てしまうからな」。
本当に、身をもって知った。僕は登山歴は長いけど、登山とはまるで違うのだ。
「これじゃあ、半矢にした獲物にトドメをさす為に追いかけて行ったら、確実に迷うな・・・」本当に、自分の赤ん坊さ、先の遠さに呆れてしまう。単独猟なんて、実際はとんでもないのかもしれない。
でも、それも一つ一つ、クリアしてゆく楽しみなのだ。沢山悩みながら色々な事を実際に体験し、来猟期、自分がどれだけ進歩しているか、楽しみだ。
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by oglala-beads | 2009-02-15 21:59

山の怪

昔は随分と食べたものだけど、今は生きたまま焼く貝の料理が苦手だ。牡蠣の殻付き焼きなんぞは女性に大人気だが・・・


猟隊が動く9時まで、単独で山に入っている。日の出(日本標準時の)時刻より以前に撃ったら違反なので、日の出時刻を越してから山に入る様にしている。
夜は明けているとはいえ、山の中での日の出頃はまだ薄暗い。でも薄暗さが原因では無い、何とも言えない恐ろしさ、不安さに、山に入ると襲われる。山に入る前から気で負けてしまっている。
人間のテリトリーではない、他の生き物のテリトリーに入って行く居心地の悪さとでもいうのか・・・。確かにそこでは孤立無援の闖入者・・・というのが今の自分の様に思う。
これがタツさんの様な、山に必要とされているハンターならどうなんだろう?と、ふと考える時がある。闖入者では無い訳だから、居心地の悪さは感じないんだろうか?

そんな事を考えていると、左後ろで「ピ〜!」と鹿に警戒音を出される。木の根もとにかがんでジッと動かずに向こうが動くのを待つ。1分を過ぎたら動きたくて仕方無くなる。あと一分・・・あと一分・・・とGショックを睨んで緊張を他に向ける。向こうが静かに動き出した。腹這いの体勢で木の根越しに見ると、まだバンビ。くそ〜、またかぁ。猟期中に一頭でいいからオスの大きな鹿を獲りたいものだ。

色々な理由があって、自分がやりたい事を貫く為には「実績」が必要になってきている。でも、僕自身のそういった理由で、必要の無い命を奪いたくない。甘いのかもしれないけど、悩ましいところだ。

その後は居心地の悪さ〜恐怖心がピークに達して、追われる様に山を下りた。まずこの恐怖心から克服しなくてはならないか。まさに、スタート以前のレベルだ。


トトロの唄に”子供の時にだけ あなたに訪れる不思議な出会い”という歌詞があった様な。
「ん〜、自分には無かったなあ」と思っていたのだけど、よ〜く考えたら、すぐに思い出せるだけでも2つあった。

一つは”砂かけばばあ”。
秋、一人、野原でカマキリ獲りに夢中になっているうちに、知らぬ間に早くなっていた日没に包まれていた。帰り道には、長さ50メートル程の薄暗い雑木林がある。怖々通っていると、右手の崖の中段から、砂がザッ!ザッ!と・・・。足が恐怖ですくみ、目がそこに釘付けになるが何も居ない。するともう一度、ザッ!ザッ!。元来た道を一目散に逃げる。でも、そこを通らないと帰れない、日はどんどんと暮れてゆく・・・泣きべそかきながら、全速力で駆け抜けた。大人の女の人の声で何事かを叫ばれた気がした。”恐怖は、一生涯、逃げるものを追う”という様な事だったように思うのだけど。

もう一つは”アラーム音”。
夜、二階の子供部屋で寝ていると、家の前の坂の頂上のT字路、その左側から、アラームというか三輪車のペダルの軋む様な音が5秒間隔ぐらいで聞こえて来た。ゆっくりと、T字路を曲がって坂を降りて来る。家の前。そこから何故か二階のベランダに音が上がって、ベランダ沿いに子供部屋の前を回って・・・ベットの前の窓の外でずっと鳴っている・・・・

当時、僕の住んでいた家は、”幽霊の吹くフルート”という怪談短編集の一つに実名が出ていた新興住宅地の中にあった。そこには、何の目的でか、古墳の谷を壊して作った池があった。かなり大きな池だ。町が完成した当時、そこで幼い兄弟が溺れ死んだ。それ以来、その町の、その(僕の住んでいた)丁目では三輪車に乗った子供に出会う事があるとか何とか云々・・・・

ともかく当時、布団を頭から被って、失神する様に眠った様に思う。


「大人になってからは不思議なことには出会ってないか?」と考えたら、これもいくつか出て来た。でもすぐに思い出すのはいずれもラコタでの話。

一つは、ありきたりでUFO。話もありきたりなので省略。


もう一つはビックフット。僕がラコタに初めて行った春だったか、夏だったか、ポキュパイン地区ではビックフットが出ると言われていた。で、ホストファミリーも見たらしく、
「ヒロ、ビックフットがのぞいても驚かない様に。シャイなだけで悪い事しないから」
「僕はともかく・・・犬達は騒がないんですか?」
「ウチのは大丈夫。でもね、丘を越えてアーチーの家に行った時、犬に騒がれたみたい。”あ、ビックフット来た!”ってんでアーチー怖くて隠れてたらしいわ。すぐに静かになったんで”あ、行った”と思ったらしいんだけど。そしたら翌朝、犬が死んでたって。」
ある夜、コヨーテの鳴き声と澄んだ冷たい空気の中でウトウトしていると、窓の外を何かが横切った。あ、ロベルトかな?後から来るって言ってたっけな?と思いながら起き上がって窓を見ると、人の肩から上の様なシルエットがスっと消えた。あ、やっぱりロベルト・・・と思いながらも妙な胸騒ぎ。「・・・????あれ、ここ、二階だよな????覗けるはず無いぞ・・・・・」
で、次の日、窓の外を見ると、見た事無い大きな足跡が・・・・

そのビックフット、現地の新聞でも報じられていた程、その界隈では不思議でも未知でもUMAでもなかった。しかし次の年以降、誰も見なくなったそう。ホストファミリーが言うには、「あの人はカナダから来ていたのよ。多分帰っちゃったんじゃないかしらね」。


不思議って、いつから不思議で無くなるのだろうか。新聞に出るって事が大きな転機になる気がする。
ある朝起きて新聞を開くまでは不思議であったことが、次の瞬間、不思議では無くなる。

しかし、すべての物事、万象は、そんなに薄っぺらいものなんだろうか。
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by oglala-beads | 2009-02-09 13:01

頑固も人嫌いも生粋ではなく

背中越し、右側すぐそばに気配がする。想定していた通りのルート。振り向いて確認したい恐怖と欲求を必死になって我慢する。最初ガサガサいったがすぐに静かな足音に変わった。ストライドが長い。鹿だ。座っているこちらに気付かなければ、左に行き切って崖に当たり、崖沿いに歩いて僕の前を横切る様に進むはず。予行練習通り、崖手前の死角の辺りに足音が入った瞬間に据銃。一日300回、暇さえあれば練習していた成果はあった。死角から出て来た瞬間に心臓を狙われていた鹿は、だがしかし、子鹿だった。安全装置を解除する。その音で立ち止まってこちらを見る。距離10メートル弱。「ドーン」。言ったのは僕の口。安全装置を掛け直して下ろしながら「はい。もし子鹿の皮が必要だったら、あなたはもう死んでました。これを勉強として、これからは油断無く・・・」言い終わる前に姿が見えなくなっていた。

それにしてもホレボレする様な逃げっぷりだ。逃げられた事を”飛ばれた”というが、そこに地面が存在して無いかの様に、まさに森の中を飛んでゆく。
知り合いが、犬に追われて出て来た鹿が目の前でひっくり反ってなかなか起き上がれずにいた際、「武士の情けや!待っとったる!」と撃たずに待っていたらしいが、やがてあがき回っていた前足の爪が地面を噛んだと見た瞬間、もう姿が見えなかった・・・といっていた話も笑い話とは思えなくなる。

前回といい、今回といい、撃たなかった子鹿を見送る時、宮沢賢治の「鹿踊りの始まり」という話を思い出す。

それにしても、もしかして今回の子鹿、前回の子鹿と同じ子だったりして。

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皮むき用ナイフの方の鞘が完成しました。こちらも私物ですが、作業日誌とウェブに掲載しております。

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最近どういう訳か、革なめしを教えて欲しいという依頼が色々な団体から来る様になりました。それなりにブレインタンがどういうものなのか分かった上での依頼なら考えるのですが、「鞣し方の違いなんて分からないけど、良い人っぽくて頼みやすそうだし、この人に出来たんだから、誰にでも出来そう」という期待を暗にちらつかせながら来られると何だか切ないですね。こういった依頼を出して来る先は役所関連が多いです。曰く「有効活用に有益なんだから、その知識を余す所無く、ボランティアで皆に伝授しなさい」。しかもこういう話に限って恩のある人を経由して来る。
どう対処するかって?相手が役所であれば簡単。放っておく。同時に皮革研究所等のちゃんとした組織の存在がある事を教えておく。すると絶対にそういう名前のある方に傾いてくれます。公的機関と繋がりたがる名誉欲の強い人はどこにでも居るし、役人は上げ膳据え膳に慣れている。放っておいたら勝手にくっついてくれます。

ブレインタンは家庭でも、ちょっと広い庭と隣人の理解があれば出来ます。僕自身は簡単だと思う。でも、その言葉を真に受ける前に、何故ブレインタンが日本でもアメリカでも絶滅してしまった技法なのかを考えてみて下さい。え?塩ですか?塩を使うのであれば、一頭につき最低10キロぐらい要りますよ。いや、一日では出来ません。2回、3回に分けても出来ません。設備の無い家庭でやるなら、3日先の天気や湿度が身体で読めないと無理ですよ。僕ですか?一年がかりでやってます。猟期中、猟師さんが獲った鹿を3月に入るまで寝かせておいて、3月に入ったら肉と脂肪を除去する。またしばらく寝かせて5月〜9月まで、何度も脳漿液に漬け込んで揉むのを繰り返す。秋になって周りの家庭が窓を閉める様になったら燻製にする。各季節、それぞれに適した良さがあるんです。そうやって一頭一頭を大切に鞣す。それが奪った命の供養になると・・・・・まあ、最後まで聞いてくれる人は少ないです。大概の人は塩のところでムっとした顔や声をして、いや、自分の知っている鞣しの職人さんはそんな事言ってなかった・・・等。

インディアンビーズも、最初は同じ感じでした。でも今だに何かを聞いて来る時に、自分の事を”俺”といって聞いて来る人もいます。そんな偉いんでしたら、僕なんぞには聞かないで下さい。また、もうついでなので言っておくと、自分の本名等を名乗らないメール等には返事はしません。更に!(笑)夜中に携帯にメールや電話をしてくる人・・・ワタシぁ早寝早起きなんです。いや、それ以前の問題・・・・もういいや。

頑固で人嫌いっていうのは、結局は本人の問題なんだけど、周りが要素を作るものなんだなぁと、プチ頑固、プチ人嫌いの自分には良く分かります。
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by oglala-beads | 2009-02-02 12:24