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生理中の女性

最近、「取扱い店に行ったけど、商品が無かった」という苦情が増えて来ました。
実は需要に供給が追いついていないのが現状です。
大変有り難いことで嬉しいのですが、程よく商品が回転しつつ店頭に並んでいる状態が、「こういうものがあるんだ」という宣伝も兼ねていると思いますし、潜在的な将来のお客様を作る事になるので、店側からしても僕からしても、将来を考えると、常に店頭在庫が無い現状は、あまり理想的な状態ではないかもしれません。

かと言って生産数を単純に増やす事は出来ませんし、店舗を減らすことも今は考えておりません(新たな取り扱い店舗が欲しい地域もあるぐらいです)。
また、僕なりの基準に沿って価格を付けておりますので(単純に時間計算)、需要と供給のバランスを取る為の価格調整も性に合っていません。

そういった事情で、しばらくお客様にはご不便をおかけするかもしれませんが、今後、猟期以外は出来るだけビーズ作業に集中出来る環境作りに努め、以前の様に納期を2ヶ月に抑えられる様、努力いたしますので、どうか今しばらく、ご不便をおかけいたしますことを、ご理解下さい。

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自分に籠るというのとは違って、対外的に誰かと繋がっている糸を切るというか、向こうからこっちに繋がろうとして伸びて来る糸を意識して受け取らない状態というのがあると思う。
これは普段、誰もが自然とやっていることで、言葉を変えれば「話しかけないでよオーラ」等と同じで特殊なものでは無いと思う。
これを一番仰々しい言葉に変えたものが、結界、なのではないかと思う。

ラコタの数々の宗教儀式に限らず、色々な場所で「生理中の女性立入禁止」というのに出くわす。これは基準が難しいので「女人立入禁止」にしてしまっているところも多いと思う。僕はこれは単なる性差別から来ているのだろうと思っていたのだけど、ラコタの宗教儀式では、参加している全員がハッキリと「あっちの方角に生理の女性が居た」と言えるぐらい、その時の女性は非常に強い何かを出しているという事だった。

実は僕も最近になって、生理一日目の人が近くに居る時は、イライラしてしまって作業に身が入っていないことに気が付いた。
これはビーズ作業中だけの事で、鞣し作業や、普通の生活には影響が無い。また生理中で相手がイライラしてのこと、という訳でもない。
なんというのか、胃の下(?)がムズムズするというか、変な感覚が出て来て、そこから脳に来るというか、妙な焦燥感・・・イライラというか、神経過敏になってくる。ちょうど風邪で体調を崩しかけの時に似ている。

僕ごときでも、そんな感じなのだから、皆が極限の意識に近い場所で修行している場とかに、生理中の女性が入ると、現実的に大変なのだろうなと思う。

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親戚の農家から、稲刈りの最中にマムシが出たけど、要るか?と連絡があったので、引き取りに行った。その場で締めて七輪で焼いて、皆で食べた。
よくマムシは精力増強に良いと言われているので、若干楽しみだったのだけど(笑)、残念ながら、そっちの方は僕は全く。仕事の方もやる気モリモリ・・・という事も無く、眠いものは眠いという状態だった。
しかし不思議な事に、お腹が減らなかったり、喉が渇かなかったり、また、暗闇でも目が見えたりして、ちょっと驚いた。

ところで切り落としたマムシの首を処理しようと手でつまんでいたら、カーっと口を開いて、僕の目をジ〜・・・っと見つめていた。切り落として相当時間が経っていて、既に皮は鞣しのために塩漬けが完了して、肉は七輪の上で焼かれ、内臓は犬に喰われていたというのに。

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塩漬けにしていた毛皮の鞣しを再開。ウェット・ソルト技法で保存していた皮を戻す為に塩水に漬ける。その際、肉側の全面に、赤い点が沢山出ていて驚いた。アメリカの鞣しの本を何冊か繰ると、そのうちの一冊に「ウェットソルト技法時の赤い点について」と、まさにこの症状についての解説があった。それによると、塩は完全にはバクテリアの活動を抑える事が出来ず、特に酵母などの着色菌はかなりのパーセンテージの塩分の中でも活動するらしいことが書かれていた。またこの着色菌は通常のバクテリアよりも低温で活発に活動するらしいことも分かった。
そのせいなのか、戻しに時間をかけ過ぎてしまったのか、残念ながら、自分の膝掛け用にと思っていた毛皮は、塩分を取り去るすすぎの際に、脱毛が始まってしまい、すすぎが完了する頃には、もうハゲだらけになってしまっていた。
つまり残念ながら、今回は毛皮としては大失敗だったという訳だ。仕方無いので、これは革にすることにした。

しかし、失敗は失敗なのだが、ものは考えようで、これだけ脱毛が始まっているのに、ほとんど匂いが出ていないというのは、今後の革鞣しの際に、非常に参考になることではある。
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by oglala-beads | 2008-09-29 00:05

試験地獄

アシスタントもブログに書いてますが、ここ数ヶ月は試験漬けでした。
リョウを始める為には、本当に沢山の試験と審査を受けなくてはならないんです。
その内の一つはなんと一回目に落ちてしまいました。でも一ヶ月後にあった試験で満点をとって文句無しの合格でした。筆記試験に関しては、他のも全部満点。詳しくは言えませんが”実技”もあって、2/25発当たれば合格なのですが、18発当たって無事合格。こちらの方は、あとは2回目の審査のみ。適性が良いみたいなので、競技の方にも興味が出ました。皿が飛んで行く、あれです(検索エンジンに引っかからない様に書かないといけないので必死なのです。申し訳ない)。

今日は、それとは別にもう一つとらなければいけない資格の実技試験がありました。カルテみたいなのと一緒に、沢山の試験官の前を移動して課題に答えてゆくのですが、珍しかったのか、最後の試験官が「ほほう、すごい!満点じゃないですか!」で、試験終了。これで、狩○免許というものを取る事が出来ました。まあ、これは落ちる人は珍しいんですけどね。でも満点は珍しいみたいです。
今みたいに、何事も全力でとりかかる性格だったら、学生時代さぞかし・・・と思います。

ともかく、今日で覚えなければいけない様な試験はもう終わり。一応更新さえすればもう二度とテストを受けなくて良い一生の資格なので、本当にホっとしてます。

・・・が、団体リョウをするなら、無線の免許も取らなくてはなりません。こちらは12月の中旬。4級アマチェア免許です。さあ・・・どうするか。お金は大丈夫(とは言っても、今までで受験費用だけで10万円ほどかかっている)だけど、もう精神的にかなりボロボロ。正直なところ、今は鞣しも中断して、ビーズに全力を注入したいです。でも、じきに秋になるので、そうもいかない。鞣しも早くやってしまって、次の鹿が入る冬に備えないと。

最近は実際の細工よりも、材料を集める作業の方が時間がかかっています。
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by oglala-beads | 2008-09-21 15:49

師匠

現在、納期が大変にずれこんでいて、本当に皆さんにご迷惑をおかけしております。
何度も頭を下げさせて頂いたのですが、この場で、もう一度、お詫び申し上げます。
現在は新潟のNEW DEALさんの商品の制作中です。各商品、一つ一つに細かい細部変更を加えて、じっくりと、ゆっくりと腰を据えて制作しております。
きっと、お待ち頂いた分以上の満足をして頂けると信じております。
誠に申し訳ありませんが、もうしばし、お待ち下さい。
制作は、続いて順番通り、大阪のNUUさん、同じく大阪のNALUさん、高知のWHOLさん、盛岡のLITTLE WINGSさんへと続き、FUNNYさん各店舗、個人オーダー・・・のどこかで来年を迎えるかと思います。


アシスタント日記でアシスタントが、
「岡居は自分が出てる雑誌でも、平気で捨ててしまう人なので」
と書いてますが、誤解の無い様に言っておくと、「本」というものは元々滅多に捨てないんです。
それ以前に、ものを仕舞い込んでしまって捨てられないんです。
でも、自分が写ってる昔の写真とかはポイポイ捨ててしまいます。理由付けするとしたら、いい加減だった昔の自分の姿を見たくないというか・・・嫌悪感を感じて。それでも後になって悔やむんですが。特に、結婚式の時に、過去の自分の写真が無いのには困りました。

本であっても、日本の雑誌、特にファッション誌とか、商品を扱う様な雑誌は躊躇無く捨てます。それ以前にここ10年程買ってませんが。同じ様なファッション誌ではあっても、昔のメンズ・クラブとかは文化的で良かったし、今でも大事にとっているのはあるんです。
例えばアイビーとかの一つのスタイルを特集するにしても、一回やって終わりではなく、何ヶ月にもかけて、文化的な事、オリジナル当時の生活的な事の方・・・いわばそのスタイルを生み出した土壌について・・・こそ、とてもしっかりと触れられていて、「形骸だけのスタイルの格好わるさ」というものを教えてくれた。そして取り上げた以上、ずっとその後も長い時間をかけてそのものを扱い続け、一つの文化を作り上げていた。

何か一つを取り上げて煽って、あとは放り出してしまう、羞恥心の無い現在の日本の雑誌とは志が違う。

雑誌といえば、月刊プレイボーイが無くなりますね。ヌードで有名な雑誌だったけど、結構コアなことにも触れていた。
良心的な良い雑誌が無くなって、編集者の薄っぺらなプライドと、スポンサーへの胡麻スリばかりで作っているどうしようもない雑誌ばかり残っている。そこには、捨てられても仕方無い様な情報しか載ってはいない。
そんな場所に自分が載ったこと、いや、載らざるを得なかった事を、誇る気にはなれない。

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この雑誌の表紙、最高でしょう?こういうのだと、頼まれなくてもスクラップブックに大事に置いています。
今や、ビルも駄目な夫の象徴か(笑)
最近、自分の配偶者がヒラリー・・・いや、ペイリンで無くて良かったと思います。



話はまったく変わりますが、少し前に受けたインタビューの原稿を整理していて、ラコタの師匠に関して、色々と思い出す事がありました。
その際のインタビュアーが「読者は作家のヒストリーに興味がある」と仰っていました。僕はあまり経歴には興味が無い方で(笑)、現在その人が何をしているのか以外には興味ないのですが、もしそれが本当なら、ここで僕がその恩人に関する思い出話を書いても、嫌がる人も居ないのではないかと・・・・ということで少し書かせて頂きます。

彼女は実はラコタ族ではなく、ラコタとは敵対していたシャイアン族の出身だそうです。ラコタ族の名家に嫁ぎ、パインリッジ村に住む事になりました。
彼女のお母さんもクイル細工の名手で聞こえた人で、自分自身でヤマアラシを捕まえて、自分で染色をして作品を制作していました。
師匠は「殺しは嫌」といってパーツはすべて、元から染色してあるものを、店から購入していました。時々「色が気に入らない」と言っては、食物染料などで染めている程度でした。
僕は逆に彼女のそういう、ある意味徹底した姿勢が好きでした。「やりたくないものはやらない。それ以上でも以下でもない」。それでいいと、今でも思っています。
「やりたいんですよ、興味あるんですよ、でも出来なくて」という人が、僕は一番苦手だから。

実は、彼女とは、人間的にあまり合う方ではなかったです。一緒にいても、気まずい沈黙の方が多かった。下の方から探ってくる様な嫌みの言い方がすごく嫌いだった。自分以外にアドバイスを求めたとか、隣のローズバット村居留地に僕が行ったと言っては、ブスブスくすぶっているところとかが嫌で、しょっちゅう喧嘩もした。今では懐かしく思うけど。
もちろん彼女に完璧を求めたことはありません。彼女に分からないことは他で聞いたり、自分で解決させた。時には、そのスジの事ではあっても、僕の方が勝ってしまうこともあった。例えば、ビーズに関して、ペヨーテと呼ばれる、本来彼女のファミリーが一番上手くなければならないはずの細工と色合わせは、僕の作るモノの方が数段勝っていたし、彼女自身、それを認めて相当悔しそうだった。彼女はずっと僕を「私のファミリー」と呼び、そう扱ってくれてはいたけど、やっぱり他人だったのだと思う。
例え師匠より上手く作れる様になったとしても、それで師匠を抜いたことにはならない。師匠は生涯、師匠。弟子はその延長線上に居させてもらっているにすぎない。義務とか礼節とかの問題ではなく、一度師匠として仰いだ以上、何をやっても、師匠にはかなわない。そんなもんじゃないでしょうかね。

最後に会ったとき、彼女は酸素ボンベを自分の近くに置いていた。
でっぷり太っていた彼女が痛々しい程に痩せてしまっていた。
その時も、あまり交わす言葉は無かった。
ただ、ポツっと、下を向いて「オカイは誠実だから」とつぶやいた。
あれは、僕を信じ切れてはいなかった、精一杯の、彼女の、謝罪だったのだろう。

以来、まだ彼女の墓には参れていない。参る事に意味があるのかも分からない。そこに彼女が居るのかどうかも。僕が作るすべての作品の中に、彼女はハッキリと存在している。
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by oglala-beads | 2008-09-14 09:52

フック完成

 骨でチェーンのフックを作っている話は前に書いた通りです。
 良い切削道具が無い為に、本当にひどい苦労をしました。電動糸鋸があればすぐに解決出来た事なのですが、あるものでなんとかする、という性格なもので(要するにケチ)、いびつな形の骨を、どうにかして万力で挟み、反動の大きな電動ジグソーであちこちケガしながら切ってゆくというとんでもないものでした。
 しかもニホンジカは小さいので、フックの様に最低7センチの長さを骨から取ろうとしたら、弱い部分を計算に入れながら斜めに切らないといけないので大変です。
 そうやって悪戦苦闘して骨を切っているのを、見るに見かねて、細工師仲間が自分が使っていたルーターと切削磁石、そして超強力な削りのチップ等のセットをプレゼントしてくれました。

 やはり道具というものにはお金をかけるべきなのかもしれません。今回はそれをつくづく思い知らされました。
 今まで使っていたルーターは、ホームセンターオリジナルで、数十種類のチップが付属して数千円というものでしたが、自分はそれで充分だと信じて疑っていませんでした。しかし本当のルーターを使ってみて、これほどまでに作業が楽になるとは思ってもみませんでした。

 さて、そんなこんなで削り出した骨。結局1月間、油に漬けながら作業していました。そしてようやく完成したフック8本。耐久性を見る為に、瞬間的に強い力を加えてみたところ、「ポキッ」。あ〜、ひとつ折れちゃった。「ポキッ」あ、これも駄目だ。「ポキッ」・・・・・「ポキッ・・・・ポキッ・・・・ポキッ・・・・ポキッ・・・・ポキッ」・・・・全部折れた。。。。

 正直なところ、もう本当に一瞬、やる気を無くしました。やっぱり駄目か。忘れてたんだよなぁ。昔のラコタは鹿の骨をメインに使っていたのではないことを。やつらはバッファローだったんだよな。もっと太くて大きい。角だって巨大なエルクだもんな。

 でも、やる気をなくしたからといって、もう一度革のフックに戻す気はまったくありません。それに違和感を感じていたからやめることにしたのだから。それは最後の手段として、ともかく出来る事を全部やらないと自分が納得いかない。自分以外に、誰も代わりにやってくれる訳ではないから。
 そこでニホンジカの角を使う事にしました。本当はエルクを使いたいのだけど、今は「本当は・・・こうしたい」という以上に、すべてを自分が得た鹿で完結させたい。それが一番でした。そこでニホンジカの中でも、自分が持っている最大の角を使って切り出しました。

 結果的に、とても強靭なフックが仕上がりました。
 もちろん、これも有機的なものなので、絶対ということは無いと思います。やはり金属のフックに比べるともろい。だから使用者にも注意して持って頂く事を課す事になりますが、普通の扱いでは壊れる事の無い強度に仕上げる事が出来ました。注意して丁寧に取り扱わなければならない・・・ガラスで出来たビーズ細工を扱う上で、本来それは当然のことなのだけど・・・それを差し引いても余あるぐらい、着けた姿が格好いい。とても満足のゆくフックが仕上がりました。
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ちなみに、ルーターをくれた友人ですが、リンクにも載せているWINKTE君。ルーターをもらったから言う訳ではないですが、彼は、今のところ僕が自分以外で認める事が出来る唯一の日本人作家です。そのスタンスは所謂ネイティブ系と言われるくくりではありますが、バランス力が本当に凄い。
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by oglala-beads | 2008-09-07 22:04